筋肉が色々なことを解決する

深夜の行き場ほしさに24時間ジムに入り
話し相手ほしさにパーソナルトレーニングを頼んだ。


身支度して家から出る自信がなかったので
当初は自宅に訪問してくれる習い事を探していたが
ヒメネーがパーソナルトレーニング推しなので
ピアノレッスンよりこっちがいいかと思い


ヒメネーが推していたデニム風スパッツなら
着替えずに運動できることがわかったので
Tシャツとスパッツにセーターを着て
スニーカーを履いて出掛け
室内に入ったらそのままトレーニングをはじめる。


見学のとき「靴も服も着替えなくていい」と聞いて小躍りした。


わたしは運動が嫌いなのだと思っていたけど
わたしが嫌いなのは運動の前後に着替えることと
それらを支度して持ち歩くことと
意にそまぬしごきだと言うことがわかった。


フラッといって
好きなように
自主的に励む運動は
めっちゃ楽しいじゃないですか。なにこれ。


何かに似てると思ったら
公園へいって遊具で遊ぶ
あれと同じだ。


わたしは自主的に公園へ出掛けて
親が怒り出すまで帰らず
意欲的に遊具で遊ぶ子供だった。


でも、もしも
公園用の服に着替えなければならず
決まった時間に出掛けるよう決められて
滑り台何回、ブランコ何セットと強制されて
挨拶をどうこう、フォームをどうこう言われていたら
絶対公園拒否児になったと思う。


ジムスタッフにメニューを作ってもらって
それをひとりで黙々とやる。


深夜2時、3時でも
仕事前でも
買い物帰りでも
フラッと寄って黙々とやって帰る。


楽しい。


トレッドミルYouTubeが見られるので
count on me を歌いながら歩いていた。
3回歌うと10分、5回歌うと15分くらいになる。


調子が出てきてうれしくなり
だんだん走るようになって
「おやおや、1km走れちゃった」
とやったら激しく筋肉痛になり


回復するなり懲りずに走ったら
持病の遊走腎に堪えたらしく
震え上がるような濃さの血尿が出たので
たまたまトレーナーからもすすめられ
エアロバイクに変えて
また歌い続けた。


だんだんちゃんと歌えるようになってきて
昨日遂にほぼ噛まずに歌えるようになった!!


と言うことに、ひとりカラオケへいって気づいた。


そして


思いがけず声量と声域がググッと広がっていることにも気づいた。


わたしは声が低いのに
歌う声は高く細く
なのに高音は裏返る。


背が高くて痩せてるからかなあと思ってきたけど
腹筋背筋鍛えて二週間経って
下腹に筋肉のパンツみたいなものが出来て
このバミューダトライアングルの真ん中に
声がでるボタンのようなものがあるらしく
そのスイッチが入るとやすやすと出なかった声が出る。


すごい!


すごい!すごい!


感激!


と、ひとり浮かれて、またカラオケ帰りにジムへいった。


トレーナーは肯定ペンギン族らしく
小さなことから大きなことまで褒めてくれるので
この想定外の効果を
次回会ったらさっそく伝えようと思う。


このトレーナーは
「筋肉を増やしたい、身体を柔らかくしたい」
というわたしの要望に
「はてこさんにとってのトレーニングは食べることです」
というもっともな課題をくれた。


2200kcalを最低ラインに2400kcal摂りましょう。


そうか。食事はトレーニングか。
明確な目標を納得できる形で提示されると
アスペはこつこつやらずにいられないので
「1000kcal×3セット目標に食べるか」
みたいに買い物と食事を見直しはじめた。


わたしはもちおの闘病以来
食べることへの心理的な葛藤がとても強くなった。
あれだけ節制して選んできたあれこれを
それ以前の暮らしに戻すことができない。


「身体のためにちゃんと食べなきゃ」
といった言葉は
葛藤を強める圧力にはなったが
食べる力にはならなかった。


しかしいま
胸筋、背筋、腹筋、大臀筋有酸素運動と並んで
胃腸を働かせることもトレーニングだと
何かストンと腑に落ちて
意識的にあちこち出掛けては食べ
買い込んでは食べている。


たいした量ではないけれど
体重は43kgをキープしてるし
セブ島留学前は42kgだった)


それでいて
エストは4cm細く57cmになった。
MサイズのUNIQLOスパッツがぶかぶかだ。


目標は二十歳の頃の51kg~48kg
「増量は運動より食べることでくじけちゃう人が多いんですよ」
と、トレーナーが言うけど
運動したあとはしないときより食欲ますので
筋肉がいろんなことを解決してくれるといいなと思う。


直前までふつうにしていても
日常のなかのふとした瞬間に
「耐えられない、これ以上生きていたくない」
と胸がつぶれそうなことがあるのに


それも本当の現実なのに


わたしは着々と生きる方へ、命を燃やす方へ
なりふり構わず、金に糸目をつけず歩み続けていて


そのことを頼もしく勇ましい気持ちで思えるときと
非道く冷酷でふてぶてしく浅ましいと思えるときがある。
後者の場合は頭の中で自分を罵ることを止められない。


でも、もちおはいつも
「はてこさんは、太ったら、ほんときれいだと思うんだよね」
といっていたので、太ったら喜ぶよね。


「しあわせになって。ひとりにしてごめんけど、しあわせになって」
って去年の夏に泣きながらいってたから。


筋肉とがんばるわ。