夫を亡くしてセブ島に留学することになった その21 学費と生活費

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睡眠アプリに残されたメッセージから身の振り方を考えた話。

 

 

これまでのお話 

 

 「学費…」

USBの充電器が壊れたので地元の電気屋で買った。1400円くらいしたけど背に腹は代えられない。電圧が違うのか、電化製品はちょいちょい壊れる。しかしこちらのスタッフから借りたドライヤーが壊れたのは解せない。どうなってんだ。

 

睡眠深度をはかるアプリ Sleep Scienceipod で使っている。セットした起床時間の10分前から静かに波の音や雨音が流れ始め、ボリュームを少しずつ上げながら予定時刻に小鳥の鳴き声が流れる。けたたましいアラーム音と違って気持ちよく目が覚める。

Sleep Science Alarm Clock

Sleep Science Alarm Clock

  • Phase4 Mobile
  • Medical
  • Free

 Sleep Science には睡眠中のもっとも大きな音を録音する機能があり、夜間なんらかの騒音で目覚めたことなどもわかるようになっている。

 

これまでは寝返りをうつ衣擦れのガサガサ音以外録音されたことがなかったが、今朝は「…School fee…」と呟く老婆のようなしわがれ声が入っていた。時間は深夜3時半頃である。

 

ホラー映画で呪われた因縁を明かそうとする謎の霊がメッセージを告げる場面があるが、まさにあんな感じだった。これは例のユニーク&スペシャル案件でしょうか。学費? 学費がどうかしましたか…?

 

一瞬ビビったが、二度聞いたあとではたと理解した。これはわたしの寝言だ。英語で寝言をいっているのだ。次回の留学費をどう工面するか毎日考えているから夢の中で誰かに学費がいくらか聞いていたのだろう。*1

 

ゲーム会社に勤め始めたころ「寝言で仕事の話をしている、疲れすぎているのではないか」と母に言われたことがあった。当時は自分が寝言をいっているという話が信じられず作り話だろうと思っていたが、ある日「昨日も寝言で『ロクヨンのロム』とか『ニゴロですね』とかいってたわよ」といわれ、にわかに母の話が本当だったことを理解した。母は「64のロム」や「256」*2が何を意味するか知らなかったからだ。

 

一人暮らしのときから自分の寝言でときどき目を覚ますことがあった。一生懸命話そうとして話の途中で目が覚めてもしばらく寝ぼけて話し続けている。しかし英語で寝言をいったのはたぶんはじめてだ。よっぽど学費と英語が気になっているのだろう。

 

TOEIC900超えの歌って踊れるニールセダカ女子の jel にこの話をしたら「私は英語とタガログとセブワノとスパニッシュで寝言をいうけれど、先日ルームメイトからラテン語ラティーノ)で寝言を言っていたといわれた」といって、往年のタモリ空耳外国語のようなラテン語を目を閉じてベラベラ呟いてみせた。ちなみにラテン語は話せないらしい。なにそれこわい。

 

セブへ来て今日で18日になる。今後引き続き英語を学ぶにはどうしたらいいか、最近ずっと考えている。留学させてもらったことは本当にいい経験になっているが、英語を学びながら生活を続けるにはいくつか課題がある。

 

でたらめ英語でもマンツーマンレッスンは英語学習効果が大きい 

フィリピン留学の目玉は安価に長時間マンツーマンレッスンが受けられることだ。3DアカデミーのESLコースでは午前4コマのマンツーマン、午後3コマのグループレッスンが受講できる。

 

現在留学中の3DアカデミーではスパルタコースやTOEIC対策コース以外はとくにこれといった授業用の課題がない。これはフィリピン英語学校によくあることだそうで、受講開始まもないころはフリートークで終わるのは時間のロスが大きいのではないかと思った。

 

結論からいうと正しい語順でベーシックな単語を中心にわかりやすく話してくれる講師とだらだらよもやま話をするのは結構勉強になる。少なくとも初心者にとってこれは英単語やセンテンスを知識としてではなく経験として身につけていく上で非常に効果がある。単語帳などで日本語から直訳した英語を丸暗記するのと違って、単語が意味する概念をそのまま飲み込めるからだ。

 

現在マンツーマンレッスンではわたしの希望で中学生レベルの文法を学んでいる。学ぶ内容もさることながら、学ぶ過程で英語で質問したり答えをもらったりすることがわたしにとっては混乱を避ける助けになっている。日本語で考えて日本語で文章を作り、それを英語に置き換えて、また英語から日本語に置き換えてと言語をいったり来たりしているとわたしは混乱する。

 

しかし「聞くことが勉強になるとはいえ、話す方はこんなでたらめ英語でいいのかよ」「はよまともな英語のセンテンスを増やさなあかんな」と思っていた。講師陣は日本語を含め各国のお国訛り英語を見事に聞き取り、でたらめ英語も上手にアシストして会話を続けるが、いつまでもこれに甘えとってはいかん。

 

ところがGoogle翻訳や辞書を使って適当な文章を作ってみても、完成した文章にわたしの知らない言葉、知ってはいるけど概念として理解していない言葉があると、説明するとき棒読みになって心から話せない。心から話せないと発音や文法が正しいかどうかが気になって、伝わっているかどうかに割くリソースが減る。

 

とくに単語帳など作らなくても講師たちと毎日話して頻繁に出てくる単語は覚える。覚えれば真似して使える。覚えて真似して使えば単語が自分のものになる。それを正しい語順で正確に綴れるかどうかはまた別だ。大切なことは毎日英語で話すこと、英語を使うことだ。

 

英語学習と生活の両立 

わたしの個人的な問題は午前、午後あわせて一日7時間を英会話に充てると仕事をするリソースが残らないことである。長期間英語を学び続けるには生活しながら、つまり仕事をしながら学ぶ必要がある。School fee も稼がなければならないし、生活費と税金も稼がなければならない。

 

現在わたしは昼休みと夜に仕事を少しだけ入れているが、この仕事量ではとても暮らしていけない。できれば仕事を半日、英語を半日くらいのバランスにしたい。滞在費が安く、英語が第二言語くらいの国、水と空気と治安がよく、食事が安価で栄養バランスがいい国、できれば料理が美味な国に数カ月滞在して、働きながら英語を学びたい。


帰国後おすすめなのはSkype英会話だと講師らに聞く*3。オンラインレッスンは比較的安価で、たとえばネイティブキャンプでは一ヵ月5980円で話し放題。毎日英語を使い続けることができる。内容もさることながら、とにかく毎日英語で、できれば正しい語順と正確な発音で話をする相手がいることが大切だと思う。

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話し放題プランなら日本でSkype講座を受けまくることで英語を使い続けることができる。何なら留学中と同じように毎日数時間の講座を受けることだってできる。

 

でも「24時間いつでも自由にレッスンが受けられる」とは言い換えれば一度もレッスンを受けなくても時間はどんどん過ぎていくということなんですよね。わたしは以前ネイティブキャンプを試したことがあるが、お試し期間中に二回しかレッスンを利用しなかった。

 

セブに来てよかったことは「食事をとるためにカフェテリアへいく→学校へいく」という流れに助けられ、また自宅と違って気を散らすような家事や雑事がなく、他に行くところもないので惰性で学校へいけるということだ。行きさえすれば講師が待っていてくれるし、講師は日本語を話せないから顔をあわせたら英語を使うしかない。でたらめ英語でも怒られないし、中学生レベルの文法も親身に教えてくれるし*4、ただもうこの流れに乗っかっていれば否応なしに英語がしみてくる。そして英語で寝言をいうようになる。

 

やはり将来的には数カ月単位で英語圏に滞在して、仕事をしながら英語を学びたい。

 

英語を使えたらわかること、できることがすごくたくさんあるということがここにいると体感として実感できる。今朝は講師が英語の台風情報を見て天気を確認するのをみて、「これが英語がわかるとわからないの差なんだな」と思った。誰かが訳してくれるまで英語の情報が入ってこないのと、自力で情報を把握できるのとでは世界が違う。頂点までの道のりは遠くて険しいとしても、小さいステップはちょこちょこ上っていけるし、そこからの眺めもなかなか悪くない。

 

というわけで、折り返し地点を過ぎたいまわたしの頭は今後いかに仕事と両立しながら(また日本の住まいや持ち物、それらにまつわる支払い*5をクリアしながら)英語を続けるかで頭がいっぱいである。だから今朝録音されていた地の底から響くようなあの皺枯れ声はわたしの寝言に違いない。そうに決まっている。断固ユニーク&スペシャル案件ではない。

*1:https://twitter.com/kutabirehateko/status/1065015242164396033

*2:セガマークⅡ時代の話なのでメガじゃくてキロバイト単位で画像データを作ってロムに直接焼いていた。

*3:3Dアカデミーにもskype講座はある。HPが機能しているように見えないのだけれど、森田社長に尋ねたところ講座は運営中とのことだった。

*4:「私のようなTOEICハイスコアガールがおまえの中学生英語のために割く時間はない」と思っていなきゃいいけどな。

*5:年金、保険、税金を含む。