女友達と女装と女子会の楽しさ

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8月にTwitterで知り合った@Tomicajpnこと阿部悠さんと@naka__35こと中さんでお茶会をした。阿部さんは北原みのりさんのLOVE PIECE CLUB ラブグッズ&マガジンボールクラッシャーと呼ばれて を連載中の面白い人で、中さんは少し前に少年ジャンプの表紙に問題提起をしたTweetが話題になり、Togetterにまとめられ、2ちゃんにスレが立ち、はるかぜちゃんこと春名風花に絡まれ、しまいには新聞に載った。

 

お二人とは今年に入っていつのまにかTwitterFF関係になり、何度かDMをやり取りするうちに偶然集まれる日が出来て、会うことになった。

 

阿部さんは小さな息子さんと一緒だったので、「仕事部屋でお茶でも飲みませんか」と二人を誘った。そのときわたしの頭にあったのは買い置きしてある日東紅茶か健康茶のティーバックで入れたお茶と袋菓子を囲む光景だった。

 

「ケーキを買っていきますね!」と中さんはいった。そしてケーキと氷とスパークリングジュース、木製フォークにハート型の紙皿、プラスチックのワイングラスという見事なパーティーセットを持ってきた。「女子会だ」「インスタに上げなければ」と我々はどよめいた。中さんは阿部さんの息子さんがケーキに蝋燭を立てるのが好きだと聞いてケーキ用の蝋燭とリボンをかけたプレゼントも用意しており、カーテンを引いてケーキに立てた蝋燭に火を灯すともはや完璧にお誕生日会だった。

 

「それだけ準備して、しかも中さんはきれいにおめかしもしていたんだよ」ともちおにいうと、「友達になれるかもしれない人とはじめて会うんだぞ、おめかしするのは当たり前だ」と呆れられた。わたしは「ちょっとコンビニへいってきます」という装いで日焼け止めも塗らず阿部さんを迎えにいき、旅行中の阿部さんはTシャツにデニムで「洗ったのにTシャツが臭い」としきりにぼやいていたのが対照的だった。

 

阿部さんとはこの少し前に東京でひらかれた痴漢と性暴力について考える会ではじめて会った。このときも阿部さんはバギーに息子さんを乗せ、Tシャツにデニムでフラッとやってきた。前日はほぼ同じ装いでバギー持参でフジロックへいっていたそうでお疲れ気味だった。近所のコンビニにも国会前デモにもフジロックにも同じスタイルで出かける。

 

一方この会を主催された渡邉葉さん(@YoWatShiinaEsq) *1は体のラインを美しく引き立てる真っ赤なワンピースにヒールの高いゴージャスな靴、巻き髪に縁どられたお顔はメイクもばっちりで、とてもいい匂いがした。なぜ匂いまで知っているかといえばN.Y.在住でアメリカナイズされた渡辺さんにハグしてもらっている人を羨んで騒いでちゃっかりハグしてもらったからだ。

 

阿部さん、中さん、渡邉さんとのつながりは主にフェミニズムに関係してできたものだ。フェミニズムについて、人権について、ふだんわたしが何をいっているのか知っている人、遠慮せず話せる友人をはじめて持った。

 

性暴力について話していた渡邉さんが集まりのなかで女性の性と権利について話していたときに「私はおしゃれするのが好きだし、こういう服を選んだりメイクしたりするのも好き。でもそれは誰かに選ばれるため、認められるためじゃなく、こうすることを楽しんでいるの」と話していた。

 

パーティーへ出かけるバービーのようなドレスを着た渡邉さんの身振りは大きく、声は低く、言葉遣いははきはきしていた。渡邉さんは女装を楽しんでいるけれど、女らしくあらねばならないとは思っていないのだと感じた。爽やかだった。

 

中さんプレゼンツの女子会は華やかで可愛らしい演出が行き届いていた。それは女性陣だけでなく阿部さんの息子さんも歓声を上げて喜ぶものだった。

 

女子と女装を女の嗜みとしてではなく、娯楽として楽しめる仲間ができてうれしい。

 

女を押し付けられること、女として見られることに嫌悪感を覚えること、同時に愛らしく繊細で華やかなものに惹かれながらそれを自分には似合わないものだと思うこと、どちらも苦しい。社会の圧力や関わる人の期待に応えるためではなく、ただ自分のために自分の生き方を選べること、周囲が認めるかどうかに関わりなく好むものを楽しめることは幸せだ。 

 

この種の解放をわたしはもちおを通じて味わってきたのだけれど、Twitterではこうした女性性に関する息苦しさや気づきを言葉にする機会に恵まれ、共感しあえる仲間と知り合えてよかった。女装してもいいし、男装してもいいし、ユニセックスなファッションを楽しんでもいい。そのことを話してもいいし、天気とお菓子の話をしてもいい。封印しなくていい状況を経験してみて、日頃こうしう話題をどれだけ自分に禁じているのかよくわかった。

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