いわたくんに飯を奢ろう

出典書いて引用してリンクしてする時間がないので、またつらつらと。

 

就職活動で40社落ちた大学生がフリーで何かして糊口をしのぐと宣言して、えらい叩かれていた。フリーで食べてる人らが我も我もとこぞって勤め人でないことの苦労を語り、しまいには顔出し実名ブログでいらんこと書くから40社も落ちるんじゃと書いた人もいて、それらにいちいち絶賛協賛大感謝みたいなブクマが集まっていて、気持ち悪い。なんで赤の他人の卒業後の人生に貼りついて喧々諤々してるんだ。いや、心から相手を思って何か助けになりたい人らが集結しているなら胸が熱い光景だと思う。気持ち悪いのは当の本人に何もしてやるつもりがない人らが世間の常識人ぶっていっぱしのことをいった気になり、悦に入っていることだ。

 

面接に来た人物の親戚関係や私生活を調べることに何の疑問も持たない人が大勢いたけれど、それは本来あってはならないことなのではないか。「ひとり親である、被差別部落出身である、親の職業が差別を受けているものであるといった理由で人を選んではならない」という人がいたら、少なくとも表立っては誰も反対しない。でも「ネットに書いてあるぶんにはいくら調べてもいい」という頭になっている人がたくさんいるみたいだ。

 

「書かなければいい」? 差別、見下し原因になりそうな情報は秘匿して内申書でも書くように多数派にウケのいい情報だけを書けとこれから社会に出る子供らに言いたいのだとしたら、それはもう本当に大人として情けないことなんじゃないのか。

 

40社受けて内定ゼロなのは本名ブログで余計なことを書いているからでは? - 情報の海の漂流者

うちの人事は、そういう調査はしていない。「提出された書類と、面接での受け答えだけで判断する」のがルールなので、絶対に順守すること、という社内教育があった。/書いた。→http://deztec.jp/design/16/07/10_society.html

2016/07/10 19:21

b.hatena.ne.jp

わたしはこちらの記事に共感した。

ある人物を採用するかどうかは、「仕事に必要な能力」だけを提出書類と面接によって収拾し、公平に判断しなければならない。「家族の犯罪歴が判明した」から落とすとか、そういうことがあってはいけない。「親族が取引先の関係者だとわかった」ので採用する、ということもあってはならない。

 

私の勤務先は性同一性障害の内定者に対して公正な対応を貫くことができた(と私は思っている)が、もし採用担当者が事前に一人でその事実を知ったなら、受入コストを忖度して個人の裁量の範囲内でマイナス評点を付けてしまった可能性もある。その採用担当者が「障害がネック」と書けばさすがに上司が「なにバカなこといってるんだ?」と気付くが、「コミュニケーション能力が低い」などと偽装されればチェックが働かない。

採用活動で「応募者の名前をネット検索」は禁ずべき

 

実名顔出しブログ批判はもはや21世紀の常識になりつつある。うかつに個人情報をさらすな。ここまではわかる。でもさらした以上は誰がどんな形でほじくりかえして誰彼かまわず広めてもさらした方が悪いという図式が出来つつあること、これはおかしい。

 

かつて興信所が使われたように、この時代は娘や息子の婚約者の個人情報をネットを使って調べ上げる親もいるだろう。結婚前に交際した相手はいなかったか。勤務状態はどうか。病歴、スピード違反や未成年飲酒など軽微な犯罪歴、親子関係と親の勤務先。出入りしているサイトやSNSの繋がり。

 

このような個人のプライバシー調査に何の疑問や後ろ暗さも持たず、それどころか子供のためだとすら思う親ってありがたいですかね。木嶋佳苗をはじめとするテキストリベンジポルノ作家はその辺逆手にとって個人情報流しまくってますが、便利ですか、そういうの。「ネットはオープンだ、いやなら鍵をかけろ、迂闊な方が悪い」って「スカートを履くからレイプされる」「鍵を掛けないから盗難に遭う」みたいな犯罪者擁護みたいでわたしは嫌だわ。

 

件のブログに資格試験に落ちたと書いてあったことはマイナス要因だと書いている人がいた。うちはささやかな自営業をやっており、もちおは面接担当をすることがある。我が社だったらどうか。「資格試験受けてみようと思ったやる気を俺は買う。俺が危ないと思うのは不誠実な嘘つきだ」ともちおはいった。

 

わたしが本名顔出しかそれに近い状態で書かれたブログやidで正気を疑ったのは、ブクマで執拗な粘着を繰り返す人、名指しで執拗な当て付けエントリーを書く人、民事裁判で間違いなく負ける暮らしをしている人、そして性犯罪を繰り返しながら自覚がない就活生くらいだ。

 

田舎暮らしに失敗しようが、キャンピングカーを買って痛い目を見ようが、就活が上手く行かず悩んでもがいていようが、そんなものは誰に迷惑をかけているわけでもない。自慢することではないけれど、恥じることもない。誰だって若いうちはそんなものだ。

 

いや、はてなの人たちは違うのかな。わたしはそんなものだったよ。

 

phaさんが「しないことリスト」の中で、離職して行くあてのない友人をしばらく居候させたという話を書いていた。何もいってやれないし、やってやれないけれど、そうやって居場所を提供することで友人は勝手に元気になり、やがていい働き口を見つけて出て行ったそうだ。

 

わたしが困っていた時助けてくれた人たち、いまも恩人と思っているかつての大人は「おまえが悪い」「そんなことをやっても上手く行かない」というだけの人じゃなく、「まあそういうときもある」とご飯食べさせてくれた人たちだわ。*1

 

いわたくんがどういう心境であれを書いたかわからない。でも連続30社面接に落ちて貯金も底尽きてひとり暮らしで帰る親元がなかったときの辛かった気持ちをわたしは思い出したよ。福岡きたらご飯食べさせてやるから連絡しなよ。金はないけど心配するな。そのうちなんとかなるだろうってもんだ。

kutabirehateko.hateblo.jp

*1:そばにいる人が真摯に率直に説教かましておけば、みたく書いてた人もいたけど、先に信頼関係ができて、本人が聞きたいと思ってるときじゃないと話伝わらないわ。