読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「家事の手伝い」から「家事分担」までの距離

web日記 闘病生活 思うこと

Cook Do」を使うのは手抜きかどうか、ゴミ捨て担当はどこからどこまで担当すべきかとさいきんネットで家事の話題が続いているのを見た。激論になるようなことか?と思って眺めていたけど、根底に男女問題があることがわかって納得。

 

分担するとは「全部覚える」こと

家事分担記事で最近関心したのはこちら。

tousan.hatenablog.com

 

イラストの楽しさ、環境に配慮した食器の洗い方もさることながら、わたしがいちばん心動かされたのはこのくだり。

 

できる人ができるところまで。だから全部覚える

 わが家では食器の後片付けは、夫婦の共同の作業。といっても、どちらかが、何かを担当する。のではなく、できる人がする。だから、全部覚える必要があります。

 娘(はーちゃん)が生まれるまでは、妻がほとんどすべての作業をしていました。私は、妻が洗った食器を受け取り、ふきんでふくくらいしかできせんでした。

 しかし、娘が生まれ、さらに息子が生まれて、子どもたちに手がかかるようになると、妻ひとりだけでは食事の後片付けまでなかなか手が回りません。夜中までそのままということもざらでした。

 衛生的にもよくないし、もっと手伝ってほしいという妻の要請を受けて、夫婦でたどり着いたのが、食器の後片付けを「シェア」することでした。私が帰宅するまでは、できるところまで妻がして、私にバトンタッチする。1年かけてこれができるようにがんばりました。

 

「手伝う」から「分担」に意識が変えるなら、「全部覚える」が必要になる。その必要は仕事に置き換えればすぐにわかる。プロジェクトを引き継ぐ、顧客を引き継ぐ、レジを交替する、代打としてマウンドに立つ。最初から仕事に熟練することはできないけれど、まずは「全部覚える」がスタート地点だ。

 

家事担当者の固定化は家族の悲劇

ガン関係の書籍やニュースを読むと家事にまつわる男女問題は深刻だと痛感する。女性は命ある限り、入院中でも家事担当だと信じて疑わない人は非常に多い。闘病中の本人がそのような価値観を持っているため、以前のように家事ができないことで自分を責め続けるケースもあれば、闘病中の母親や妻や嫁に*1以前のような家事を望んで不満に思うケースもある。

 

Yahoo知恵袋には非常に深刻な病状の妻が医師である夫から「おまえがガンになったからこっちは大迷惑だ、俺の食事はどうするつもりだ」と入院先のベッドで毎日文句を言われるという話があった。妻は院内のコンビニで毎日弁当を買い、夫は毎日それを黙々と食べているという。わたしはこの話をネタだと思えなかったが、仮にネタだとしてもその質問への答えとして「奥さんに出されたお弁当を素直に食べている旦那さん、かわいいじゃないですか」という意見があったことに愕然とした。

 

闘病者の心理面のケアをうたう本には家事や料理のことで思い詰めないようにというアドバイスが書かれ、続けて患者である女性からの「完璧でなくていいと思うようになって楽になり、夫には外で食事をすませてきてといえるようになりました」という感想が紹介されている。

 

闘病中の女性が散らかった家で不衛生な衣類と寝具を使い、店屋物を取ることに責任と罪悪感を感じる一方で、家族のメンバーはその状態に甘んじるだけで家事担当者であった女性に思いやりをしめしていることになっている。

 

こんなのおかしいよ。まともな神経じゃないよ。

 

家事は誰のためのものか

すべての男性がいかなる事情であれあくまで家事を回避しようとしているわけではないことは父さん がんばる。id:jhkblogさんの例からもわかる。わたしの身近にも育児休暇をとって妻の職場復帰を後押しし、弁当作りや離乳食作りの腕を上げている方がいる。

 

しかしゴミ捨てくらいで「フローを理解してもらいたければ家事担当者側が努力すべきだ」と大上段に構えてのたまう人々を見て、これでは家庭の運営は立ち行かないだろうと思った。ゴミだしも替われないようでは一家の危機に存続は危うい。

 

とくに日本人男性で日常的に料理をする人の比率の低さは異常だ。 

ゴミだしの件でよくわかったのであえて書くけれど、料理をするとは冷蔵庫の中にあるものを買い置きの調味料で味付けし、スタンバイ済の調理器具で調理し、きれいな食器に盛り付けるということではない。

在庫確認して予算内で不足分の食料、調味料を買い足すため、食材が安い店と時間帯を見極めて買い物へ行き、賞味期限を確認しながら優先順位を定め、料理の後は汚れがこびりつかないうちに調理器具を洗って火の元、水回りを掃除し、食後は使った食器を汚れに応じて洗い、素材に応じて乾かし、定位置に収納する。ここまでが料理担当の仕事だ。

 

 もちろんこのような家事担当の固定化は母親や娘、嫁に家事を丸投げしている女性、また息子が家事をすることを嫌がる母親の影響も大きく、「好意のお手伝い」の範囲でしか動かないのは男性に限った話ではない。

 

代打が大勢いた方が危機に強いのはいうまでもない。病人が安心して寝ていられる家は家族全体が健康でいられる家だ。いざとなったときに出来るのは日頃から練習をしてきたことだけ。丸腰でバッターボックスに立ち、「ホームランが打てないのは俺にバッティングを教えなかったやつのせいだ」といってもはじまらないのだ。

 

kutabirehateko.hateblo.jp

*1:またそれまで家事担当だった姉や妹や娘に