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ブログを書いて金銭以外で儲かったこと

yahooジオシティーズ時代

わたしがwebにテキストを書き始めたのは2000年の春、場所はyahooジオシティーズのHP作成スペースだった。

 

webにふれた当初、わたしはかなり封鎖的な環境で生きていて、わたし自身とわたしの表向きの立場には乖離があった。また自分を取り巻く限定された人間関係に息詰まりを覚えていた。

 

それでわたしが思っていること、作ったものを、自分の年齢や立場を抜きにして、自分を取り巻く人間関係と無縁な誰かに見せたかった。webでは出したものを批判されることはあっても、書いたものを修整されたり、作ったものを壊されることもないしね。

 

最初のうちはハンドルネームで呼ばれるわたしにしがらみがなかった。でもわたしはオンラインとオフラインをはっきり分けるどころか、オンラインで知り合った人とは老若男女、そのままどんどん親しくなった。メールを交換し、電話をかけあい、贈り物や手紙をやりとりした。*1遊びにきた人たちを地元の観光地に案内したこともあった。それらの交友は表向きの立場としてはギリギリのラインだった。

 

やがてやましくなった。お堅い仕事に就きながら夜遊びをしていたけれど、昼の顔を知らせざるを得ないくらい親しくなったような感じ。結局HPは開設4ヵ月で「生活がおろそかになる」と断腸の思いで封鎖した。*2

 

アフィリエイト時代

2003年にアフィリエイトというものを知り、日記を書きはじめた。書いたところは書き始めた当初レンタル日記サービスだったと思うんだけど、知らない間にブログサービスに移行していた。そんなわけでブログという言葉の意味も知らずに気がついたらブロガーになっていた。

 

アフィリエイト目的で日記を書きはじめたときは、完全にアフィリエイトに特化するつもりだった。でも結局思ったことをあれこれ書くようになり、そこで人と知り合う。どんどこメールをやりとりして、手紙や贈り物を送り合い、やがて遊びに行く。家に呼ぶ。結婚式にいく。そうしてオフラインでの立場を伝えざるをえないところまで来る。

 

こういった事情で当時書いたものはいまよりずっと歯切れが悪かった。ジオシティーズデビューしたころのように息抜きに書きたいことを書ける場所ではなく、かといって私的なことを上手に伏せることもできなかった。だって日頃思うことは日常に直結しているからね!

 

自分自身が思うことと、立場的に濁さざるを得ないことの間で板挟みになり、短いテキストを書くのに何度も書き直し、時間ばかりとられた。時間をとられる割に当初の目的だったアフィリエイトもパッとしなかった。でもなんだかんだ書いてしまう。

 

はてな時代

2009年の終わりに、わたしは一生かけてやっていくつもりだったことを考えに考えてやめた。それまではwebであっても書くわけにいかないことがたくさんあった。でもこれからは、わたし自身が思っていることを思ったように書ける。あとで読んだ人に会ってもやましいところはない。

 

わたしはたまたまその少し前にはてなダイヤリーに登録していた。よし、はてなダイヤリーに書いたれ。というわけで、2009年末に書きたいことを書きはじめた。すぐに手斧がじゃんじゃん飛んでくるようになったので、一年もしないうちにはてな村が嫌になって、はてなハイクに籠った。

 

2015年までほとんどブクマもせず、おはようからおやすみまでハイクに籠っていた。ときどきチラッとダイヤリーを書いて、はてなブログは去年の夏まで隠れるようにこそこそ書いていた。でもいったん表に出てからは、どうせならばんばん露出するよ!と思ってTwitterも再開し、現在にいたる。

 

わたしにとってのブログの価値

いまは無理に背負っている立場はない。アフィリエイトがパッとしないことは10年やってよくわかった。それでもまだブログを書きたい。

 

わたしは「オフラインで言い尽くせないこと、あれこれ思ったことを誰かに話したい」という一点でブログを書いている。「聞いてほしい」じゃなくて、「話したい」。賛同してもらわなくていい。相槌や返事もなくていい。結果的に人と知り合うこともあるけれど、それは旅先での出会いのようなもので、旅そのものの目的ではない。

 

わたしは自分だけが読む日記とは別に、知らない誰かの目に触れるところに自分の考えを書き残したい。それでブログを書いている。「ブログが書けて、お金も入る」というのは魅力的だ。でも「これから二度と不特定多数に向けてテキストを書かないなら、一生困らないだけのお金をあげるよ」といわれても、「よろこんで!」という気持ちにはなれない。そりゃ命がかかっていれば応じるかもしれないけれど、あの手この手でなんとか裏をかこうとすると思う。

 

昔はこういうことって作家にでもならない限り難しかった。新聞の投書欄とか、ラジオで読まれるハガキのほかは、同人誌でも刷って手売りするしかなかった。いい時代に生まれたと思う。

 

自分が書いたものでも時間を置いて読み返すと「へえ」と感心する。夢中になって読む。もちろん「あちゃー」と思うこともある。星もブクマもつかなかったエントリーでもすっかり忘れていて、他人事のように面白く思うこともある。でもSEOとかPVとかアフィリエイトに特化して書こうとすると、思うように書けない。

 

ブログ飯とかランキング何位とか、書籍化、kindle化とか見ると、それが有能さの指標に思えて羨ましくなる。でも自分にとって儲けが大きくないとやる気が出ない。そしてわたしにとっての儲けとは、そのとき思うことを、あとで自分が読んでも面白いように書けたかどうかだ。そうやって自分が書き残したものが増えていくのが最大の儲け。

 

そしてそれを一生会うこともない誰かが、一生行くこともないどこかで読んで、共感を覚えたり頭がこんがらがったり、うれしくなったり怖くなったり気持ちが動くことがボーナス。そういうことがあったとわかるとブログ書いてよかったな!!!得した!儲かった!と思う。Twitterを眺めていて、意外なところでリツイートされているのを見ると「こんな人が読んだのか!」って小躍りする。

 

そういう意味で、はてなではだいぶ儲かったから、これからもほそぼそと書き続けていこうと思う。儲かりまっか。ぼちぼちでんな。

kutabirehateko.hateblo.jp

*1:キリ番をとった人のリクエストに応じて絵を描いて郵送するという企画をやっていた。

*2:そこを追ってきたのがもちお。