うしじまいい肉 「自撮りの教科書」で知る己の自意識過剰ぶり

今回はうしじまいい肉さんの本を読んで、「自撮りする人よりしない人の方が自意識過剰でこじれているのかもしれない」と思ったというお話です。

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コスプレイヤーうしじまいい肉さんが読者の悩みに快刀乱麻の勢いで答えていく「うしじまいい肉にっこり人生相談」がとても面白いので、うしじまさんの本を買った。

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この番組は株式会社タチワニが提供している。つまりうしじまさんのバックには岡田斗司夫がいる。しかし藤沢数希との一騎打ちをはじめQ&Aが面白いので、もはや課金は時間の問題というところまで来た。悔しい。ちなみに岡田斗司夫の「悩みのるつぼkindleで二冊持っている。しかもよく読み返す。読みやすくて意外性のある文章のお手本みたいな本だ。悔しい。

 

本当はうしじまさんの悩み相談のアンサーまとめがほしい。でも「自撮りの教科書」も「生き方やネット問題の対処法も学べる」とTwitterで評判なので買った。

 

ポージングから炎上対策まで

自撮りの教科書 (学校ではゼッタイ教えてくれない教科書シリーズ)」は最初にうしじまさんのお手本グラビアがあり、次にモデルのまきろん。ちゃんによるポージングとうしじまさんの解説が続く。 

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ポーズは立つ、座る、背面(振り向き)など数パターンあり、それぞれのアレンジのコツが解説されている。「自撮り」なので何もかも自分でやらなければならない。フレームにどこをいれてどこを切るか、メッセージとして何を強調したいのかを考えて撮影すること、またライティングのコツや小道具の使い方の解説もある。

 

ポージング解説の次は漫画とあわせた自撮りの考え方、注意点が続く。

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Twitterならフォロワーに注目してもらえる時間帯に投稿すること、日常を撮影するなら拡散されてこまるような個人情報のヒントが写っていないか注意すること、また交際相手のリクエストに応えてセクシーポーズを送るなら別れた後のことも考えておくべきといった警告もある。

 

最後はまきろん。ちゃんによる実践グラビア。これはまだソフトな方。

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うしじまさんといえば挑発的なセクシーポーズが有名だけれど、そういったポーズを撮るときの表情は困り顔や伏目がちにするなど嗜虐心をそそるものの方がインパクトがあるとのこと。アメリカのAVみたいなお誘いムードじゃあかんのやろな。

 

ちなみにうしじまさんが撮りたいのは主に衣装なのだそう。だからうしじまさん自身の表情より衣装に注目してほしくてクールにしてるんだって。被写体として自分にフォーカスしたいときは表情の作り方や角度は大切ですよ、ということであった。なるほどー。

 

自撮りの心得

そしてエッセイ部分。

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前書きとあわせてもとても短い。*1でもここを読んで予想外に「うむむー」とうなってしまった。

 

うしじまさんが繰り返し強調しているのは、「自分をすきだというのはいたって健全な気持ちであり、自虐よりずっといい。そして自分を撮るなら写りのいい写真を撮りたいと思うのは当たり前で、そのための研究を重ねることは誰に迷惑をかけることでもない」ということ。つまり自撮りをすることを後ろめたく思って変に遠慮したり、隠れてこそこそやらなければならないことではないということ。*2

 

かわいい自分、セクシーでエロい自分、きれいな自分をすきだと思うのは当たり前。それを喜んでくれる人たちと交流が広がるのは楽しい。ぜひじゃんじゃんやったらよろしいと。それを叩く人は一定数いるけれど、「不快に思う人がいたから謝る」ではなく、悪いことをしていないのなら相手に受け入れられようと苦心することはないと。

 

「そうだ、その通りだ」と思う。でもそう思えば思うほど、自分の中に「自撮りが見苦しくないのは若くてスタイルがよくて際立って容姿のいい女性だけ」という気持ちがどれほど根深いものかを思い知らされる。この本を買ってすぐに前書きとエッセイだけを読んで、ほかはおまけのつもりで読んでいたけれど、要するにそれは「自分は分をわきまえておりますので」という気持ちのあらわれでもあったのだった。誰も見ていないのに。

でもこれ言うほどやさしくない。なぜならまわりに批判されるより前に自意識に悩まされるからだ。

 

自撮りの壁

わたしは仕事で自撮りが必要な場面がけっこうある。動画も作る。ブログでもfacebookでも顔が写っているとお客さんは安心するようで、顔が写っている画像にはいいね!もたくさんもらえる。

ヨッピーの記事とか地主恵亮さんの記事もそうじゃないですか。取材中に自撮りが入ると「この人、こんなところでこんなことをしてるよ」という臨場感があるし、親しみも覚えやすい。出来不出来によらず顔が写っているエントリーは反響がある。シェアが広がれば仕事に繋がりやすい。

 

人の印象はときとともに変わる。ライターのかさこさんはお客さんと会ったとき違和感がないように、プロフィール画像にはふだんの姿を使うこと、まめに撮影して差し替えることが大切だと書いている。

でもこれがねえ。ひとりでカメラの前でポーズ撮ってると無性に恥ずかしくなるじゃないですか。なりませんか。でも必要じゃんと思って練習するけど、特に人前で撮るのが本当に恥ずかしい。

 

あと仕事中に写真撮らせてくださいといわれることがある。これもできればカメラに向かってポーズしたり表情を作ったりしたほうがもちろんいい。でも「うわ!この人なにモデル気取りでいるの?」と思われたらどうしようと思うあまり、直立不動で唇を真一文字にしてしまうことがしばしばある。よくない。*3人からどう思われるかを気にするあまり身動きがとれないというのはあきらかに自意識過剰だ。他人は一時間もすれば忘れちゃうことなのに。

 

ふだん写真の提供をもとめられるときは宣材写真としてプロにひととおりやってもらったものを提出している。イメージを伝えてメイクしてもらって、目線はもちろん肩から腕から指先まで指示を出されて撮影する。でもこれはぜんぜん自然じゃない。「わあ、いいね!まるで~みたい」な写真って、つまり自分であって自分でない。赤の他人か、顔見知り程度の人の評判はいいけれど、身近な友人やもちおは「誰これ」っていう。人柄が写ってない写真なんだよね。

 

うしじまさんはときどきツイキャスを配信している。動いて喋っているうしじまさんと自撮りに出てくるうしじまさんの間にはあまりギャップがない。もちろん動画はずっとリラックスしたポーズでてれっと写っているけれど、うしじまさんの人柄がどちらにもよく出ている。

 

わたしもそういう画像を使いたい。いいカメラマンを探すのもいいけど、まずふだんの姿を自分で撮ることに慣れることだな。自分の声を録音して聞くとさいしょ「うわあああ!」ってなる、あの感じを乗り越えて、とにかく自撮りする自分とされる自分に慣れていくのがえかろうと思った。*4

 

と、いつのまにか「わたしも自撮りがんばろう・・・!」と思わされる一冊でした。老若男女を問わず自撮りは自意識を見つめるのにいいと思った。部屋の散らかり具合も客観視できるしね。

kutabirehateko.hateblo.jp

*1:本自体も薄くてあっさりしている。必要なところを開けば見開きを一目で見て、知りたいことがわかるような構成になっている。

*2:もちろん公共の場でまわりの迷惑かえりみず露出するようなことは避けなければいけませんよ。その辺の注意もある。

*3:これまでの人生でカメラにむかってピースサイン出したことが一度もない。

*4:中国やベトナムの女の子たちってその辺抵抗がないみたいで、ふつうの子たちもポーズや表情の作り方が上手な子が多い。パッとすてきなポーズをとってニコッと笑う。