読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

BABY METAL WORLD TOUR 2015 in JAPAN をZeppFukuokaで観たよ

レビュー 日常

BABY METAL九州初上陸だそうですね。

ライブとか昭和記念公園山崎まさよし見て以来で、なにを着ていけばいいのか、作法的なものはあるのか、いろいろ緊張しましたが、Zepp Fukuokaはヤフードームの敷地内にあり、うちから自転車でいける距離なので移動は楽でした。

 

Zepp Fukuokaはこじんまりした小さなホールで、小さめの市民会館くらいの広さ。こんな小さなところでやるの?と思いましたが、いま調べたらオールスタンディング形式では九州最大級なんだね。小さな福岡の小さなライブホールであった。

Zepp Fukuokaは福岡市中央区にあり、主に音楽ライブ・イベントを開催しているライブハウス。収容人数は、スタンディング時で2,001人、椅子使用時で772人で、オールスタンディング形式のライブホールとしては九州最大級。ステージと客席の距離が近いことが特徴で、ライブでのアーティストとの一体感が楽しめるライブハウスとして人気。

Zepp Fukuoka(福岡) (福岡) の座席表/キャパ/アクセス | チケットキャンプ

 

確かに一体感はすごかった。ステージが、BABY METALが、神バンドがめっちゃ近い。わたしは二階席で座って観ていたんだけど、一階席はオールスタンディングでぎっちぎちだった。九州一円から人が集まっているだけでなく、全国行脚しているファンもいた。「札幌はシルバーウィークのど真ん中でたいへんでした~」って言ってた。

 

事前にCD聴いていきましたが、メモ帳など持っていかなかったのでセットリストとかわからない。日ごろライブにいかない、メタルも聴かないにわかがからみたBABY METALについて書きます。

 

「みんな仲良く行儀よく聴こうね」感がすごい

 会場のテーマカラーはもちろん赤と黒。BABY METALのコスプレをしている人もちらほらいました。スキンヘッドで半裸に刺青といういかにもの人もいる。しかし和気藹々感がすごい。そして年齢層が幅広い。就学前かな?というお子様から還暦祝いは赤いTシャツでしたか?という高齢者までぞろぞろ会場に集まってくる。*1

 

わたしはBABY METALのライブはWALL OF DEATHといって、ライブ中に会場をみんなでぐるぐるまわる肉弾戦が行われるとyoutubeでみて、そういうといころに巻き込まれたきついべな、大丈夫かいなと思っていました。ライブ慣れしている知人が「そういうときに痴漢するやつとかめっちゃいる」というし、突き飛ばされたりしそうじゃん。

 

そしたらちゃんと女性専用席があるのね。その後ろにはさらに「体力に自信のない方、年配の方」のための席があったよ!もちろんオールスタンディングだから後ろにいけばいくほど見えづらくはなるんだけど、参加できなくはない。なるほどー!

 

そしてステージがはじまる前に「メタルレジスタンスの歴史」というスライドが上映される。*2これは骸骨男が低音ボイチェ声で「諸君を歓迎する」と秘密結社入会式のノリで語るんだけど、「この中にはじめてメタルレジスタンスに参加するものはどれくらいいるかな?」とか「ハードヘドバンで歓迎しよう。後方のモッシュ席にいる者は、一歩後ろへ下がって」→ヘドバン練習タイム→「いまのヘドバンで息が上がってしまったものは無理せず後方のモッシュ席へ移動するように」とNHK教育番組なみの親切さ。教育的指導の熱心さに驚いた。*3

 

大歓迎ムードがすごい

骸骨の案内が終わると会場を揺るがす地響きのようなギターとベースが鳴り渡り、あの三人が姿を現した。ステージ左からユイメタル、中央にスーメタル、右にモアメタルが、あの赤いチュチュと黒いコルセットをつけて、黒タイツに黒ブーツで会場に向かって両手をあげていた。絶叫しはじめる客席のむくつけき男たち。

 

わたしの後ろの席にユイメタルファンがいたんだけど、「ユイちゃーん!ユイちゃーん!ユイちゃんマジユイちゃん!」というのをライブ中なんども絶叫していた。「ユイちゃん」という言葉に万感の思いがこもっている。隣の席のおっさんが指笛上手で何度もピーーーーッ!と鋭い指笛を吹いていたけど、これは耳が痛かった。おっさんが振り上げるこぶしがときどき当たるのでこれも痛かった。

 

いまかいまかと待っている間も、幕が落とされてからも、演奏中も会場に「うれしい!だいすき!うれしい!だいすき!」というオーラが渦巻いていて、みんな本当にBABY METALがすきなんだなと思った。でも行儀がいいんだよねw

 

ライブ後半にWALL OF DEATHタイムがあって、また骸骨がスライドで解説をはじめた。会場の真ん中を空けてぐるぐるまわれと。こんな小さいところであれをやるの?!と思って、思わず立ち上がって一階席を見ちゃったよ。あとでわかったんだけど、一階席には柵があって、劇場全体を回ることは出来なかったみたい。それでつたない感じでおっさんおにいちゃんたちが小さくモジョモジョ動いているのが見えた。狭くてもまわろうとがんばってるなーと微笑ましかった。だけど動くとせっかくのいい席がとられちゃうよね。

 

骸骨がいうにはこのWALL OF DEATHタイムには群がる人の上にダイブして、客席で振り上げられる拳に運ばれてステージ前まで送られるという「送り人」という伝統がある。それを本当にやっている人が何人もいた。頭上のおっさんを前に送り出すってめんどくさいだろw ステージ集中して観たいだろw でもみんな律儀にステージ前まで送り出してあげていた。そんで落とされた人はステージ前で粘るでもなく、さーっと走って袖から会場の外へ出て行く。おりこうさんだ。*4

 

「ステージ前の警備の人、日本人だったじゃん。行儀悪いライブだと黒人が立ってるからね」とライブ慣れしている知人は言っていた。警備の人は終始ステージに背を向けて難しい顔で観客を見ていたけれど、警備服を着ているわけでもないふつうのスタッフさんらしかった。*5

 

神バンドがうるさいけどうるさくない

意外だったのは神バンドの演奏。めっちゃうるさいのに、うるさくない。あれだけのボリュームで何か聞かされたらどんな音でも拷問に感じる気がするんだけど、*6うるさくなかった。それどころかよかった。あれが演奏技術というものか。

 

わたしはこれまでメタルうるさいなと思ってきたけれど、ああいう演奏を聴くにはyoutubeやCDでは不十分なんだなということがはじめて体感としてわかった。響きを耳だけじゃなく体で感じるところまで込みで楽しむものなんだね。そして生で聴くと悪くないもんだな。

 

わたしはこれまで音楽といったら歌えるもの、歌詞に共感できるものがすきだった。その点でいえばBABY METALは子供っぽくて軽い。*7デビュー当時はひとりで聞いていても恥ずかしくなった。だからまさか大人がこんなに夢中になるとは、全世界で人気が出るとは思ってもみなかった。

 

でもわかりました。ライブへいってわかりました。歌詞は裏テーマみたいなものなんだね。メインは音を全身で楽しむものなんだね。スーメタルは口パクメインのこの時代に腹から脳天まで声を張り上げて歌っていたけれど、歌詞はほとんど聞き取れなかった。でもスーちゃんの声はギターやドラムと同じく音として会場を揺るがし、その音に観客が熱狂していた。

 

さらに意外だったのは、これまでもっとも恥ずかしいと思っていた「イジメダメゼッタイ」のさび前のユイちゃん、モアちゃんの合いの手パートの重要性。「オッケー!」「負けないで」「イェスタデー!」「バイバイ!」というあの部分にもう他の音は何も聞こえなくなるくらいの大声で、会場中がいっしょに合いの手を入れていた。こんな需要があったのか!

 

エンターテイメントとしての質の高さ

BABY METALの三人は確かにかわいい。そこは否めない。それを観に来た人は大勢いたと思うし、それは別に悪くない。でもあの子たちはかわいいを売りにしたお人形さんじゃなく、人を熱狂させるステージを作るアーティストのメンバーなんだなと思った。スーメタルの声も、ユイ&モアメタルのダンスも、自分たちをかわいく見せるためじゃなく、会場の熱狂を盛り上げるためのものだった。

 

MCなしで一時間半のステージだったけれど、三人が舞台の袖へ下がって神バンドが演奏する時間が何度かあった。*8舞台の上に置かれたお立ち台に上がって演奏するギターやベースのソロに客席は大いに沸いた。彼らにもまたファンがいて、それが聴きたくて集まった人たちなんだなと思った。BABY METALはけなげさやつたなさを売りにするアイドルじゃないし、神バンドはアイドルのバックバンドではない。

 

福山雅治の結婚でアミューズの株は下がってしまったけれど、BABY METALはこれからも全世界に発信していけると思う。「かわいさが売りなら大人になっちゃったらどうなるんだろう?」と思っていたけれど、彼女たちにはかわいさ以外の強みがたくさんあるんだなとわかった。

 

これからBABY METALいってみようかな?と思う方がいたら、ぜひライブに足を運んでほしい。CDや動画ではわからない魅力がある。ファンはお行儀がいいみたいだから怖がらなくて大丈夫。ライブの「邪魔をするやつはキエロ!」って骸骨といっしょにお約束してたしね。

最後に「We are BABY METAL!」の掛け声と共にクラッカーが鳴らされ、客席に飛んできたリボンが胸に直撃した。手書きのサインやメッセージがプリントされている。文字通りハートに届いたよ。

*1:小学生らしき男の子二人を連れたご両親らしき人も見た。

*2:この時点で会場がうおおおおおお!ってなっててすごかった。

*3:繰り返される「One for all」 「All for oen」 「We are the one」っていうスローガンも学級会っぽかった。

*4:送り人中に靴を落とした人がいたらしく、拾った人がライブ中に靴をふりながら場内をキョロキョロしていた。

*5:「メタルのライブなんかもうふつうにペットボトルとか飛びまくるよ。瓶じゃなくてペットボトルでよかったね、ってレベル」と知人は言うけどそういうものなんですか。

*6:聴覚過敏だし

*7:さくら学園の課外活動としてはじまったんだから当然だ。

*8:まだ子供だからちょいちょい休憩させているのだと思ったわ。神バンドはでずっぱりで大変だ。