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図書館で本を借りました

web日記 日常

図書館に予約していた本が届いた。

 

今年の8月30日に世を去ったオリヴァー・サックスの「心の視力」。

 オリヴァー・サックスは「妻を帽子とまちがえた男」と「火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者」を読んでこころのよすがにしている。もうこの世にいないと思うとさびしい。

自閉症についても興味深く愛と敬意ある視点でいくつか書いているが、カナー型の自閉症者の印象が強く、はじめて読んだ当時は自分が自閉症だとは気づかなかった。診断を受けてから「火星の人類学者」に登場したテンプル・グランディンの話を再読し、彼女の著作「我、自閉症に生まれて」「自閉症の才能開発―自閉症と天才をつなぐ環」「動物感覚―アニマル・マインドを読み解くを読んで、仲間がいた!!という気持ちになった。生き別れの種族を見つけたような帰属意識が芽生えたのであった。

 

id:silentsugarmanさんが熱烈に推していた吉田知子の「お供え」。

吉田知子は「箱の夫」を読んで「なんじゃこりゃ??」と思っていらい、気になっていたので楽しみ。家の形をしているのに住めない家のような、出口のない物語を書いている印象がある。読んでからid:silentsugarmanさんのブログを読み返してまた楽しみたい。

そして、やっと来たよ。佐野眞一 「別海から来た女

さらに、北原みのり 「毒婦。

モテ農夫究極系の木嶋佳苗は本人のブログも驚きの連続なんだけど、第三者が見た裁判の記録もいろいろ考えさせられる。「毒婦。」をさっそく少し読んでみて、興味深かったのはここ。

(殺害されたとされる)大出さんはこれまでも、有料の結婚相談所でたくさんの女性と会っていたが、誰ともうまくいかなかったという。「今の女の子は自分のことをお姫様だと思ってるから、僕は意見してやった」と母に話したり、男友達に「女は40過ぎても相手の欠点探しをするので、手に負えない」と言ったりするなど、女の「意見」や「主張」には厳しかった。

「女はかくあるべし」が強い人から見ると料理好きで男を立てる木嶋は本当に理想の女性に見えたらしい。巷のモテテクを見ると、モテとは恋愛に未熟な相手の希望を満たし、幻想を自分に投影させることだと思う。それを満たす相手になら巨額の資産を投資してかまわないと思う男性が本当にいる。

 

ちなみに佐野眞一は「別海から来た女」のあとがきに「私はむしろ、木嶋に殺され、金をだまし取られ、冒涜され、手玉に取られた情けない男たちの群像劇としてこの事件を描きたかった。」と書いている。

 

これは男に限った話ではない。岡田斗司夫は氷山の一角で、ミソジニーミサンドリーをこじらせて現実離れした理想を持つと「この人だけは違う」と思う相手にはかえってコロッといくことがあるんじゃないかなと思う。わたしがモテ指南に違和感を覚え、警戒するのはこの辺のこともある。

 

まあでも不謹慎ながら木嶋佳苗関連の話は本当に面白い。いったいどうしてそんな人間がこの世に存在するようになったのか、考えずにいられない。この才能を建設的な方向へ生かせなかったのかとか、騙された男性はどう思っていたのかとか。*1

 

あと藤島大の「スタジアムから喝采が聞こえる」。

人類のためだ。」は図書館になかった。わたしはスポーツ全般うといのでわからないことだらけだけれど、藤島大のエッセイはルールがわからなくても胸を打つものがある。これでちょっと気持ちを浄化しながら木嶋本も読みすすめていこうと思う。

*1:「才能って振り替えが効かないからね」ともちおは言う。