「あんな人」に夢中になる人を知っているモテ農夫

美人は人に幻想を抱かせる。容疑者の写真を美人と不美人の二種類用意して容疑についてどう思うかをたずねる実験がある。人は圧倒的に美人を無罪にしようとするそうだ。こんなきれいな人は心も綺麗で頭もいいに違いないと人は幻想を抱く。

「こんな美しい人が悪に手を染めると思えない」という幻想のおかげで美男美女は優遇される。でも人に幻想を抱かせるのは見目形ばかりではない。小説「香水」には殺人犯が被害者の父親から「おまえは私の息子だ」と涙ながらに宣言される場面があった。それは彼がまとった香水のせいだった。

容姿の美しさは人の幻想を刺激するひとつの要素に過ぎない。なんであれ相手の想像力を自分の望む方向へ掻き立てることができれば美男美女でなくてもモテる。

 

相手の幻想に乗っかることはモテの基本

世の中には相手が若いというだけで「自分は相手より力が強く、頭がいい。相手は自分を特別だと思い、尊敬するだろう」という幻想を抱く人がいる。中には相手が若くなくても「女だ」というだけでそう思う人もいる。

平成も30年近くなる日本ではあまりピンと来ないかもしれないけれど、昭和の文化では「女は男より頭が悪いから生き方を諭し、守ってやらなければ」あるいは「男の人は女より頭がよくて頼れる」という考え方が常識として受け止められていた。いまでも内心そう思っている人はいる。

そういう人にとって「若い女」は「若くない女」より、「年上の男」は「年下の男」よりある意味で夢と希望を抱かせる。 若い女を求める男は世間知らず女なら自分を受容してくれそうだと思い、年上の男を求める女は相手が世事に長けていれば自分を受容してくれそうだと思う。ようするに自分を受け入れてくれそうな人を探す人は多い。

 

こうした相手の幻想を自分に向けさせるのが上手な人がいる。たとえば岡田斗司夫がそうだ。岡田は多くの女性に「岡田さんは自分の個性と才能に本気で興味を持ってくれた、特別だと信じてくれた」と思わせたのだ。

 

もちろん岡田が匂わせた出版の話に引かれた部分もあると思う。でもその話が先に進まなくても、岡田が自分に真剣な興味を持ってくれたこと自体に強く感銘を受けた女性が少なからずいた。女性向けモテ話には必ずといっていほど「聞き上手であれ」という指南が出てくる。「聞きながら男の夢を引き出せ、そこを褒めろ、応援しろ。そうすれば男は自分に惚れる」。岡田はこれを女性相手に実行した。仕事の対談ではちっとも人の話を聞いるように見えないが、ナンパの席ではそうではなかったらしい。

 

岡田の容姿は一般的なモテ男性とは程遠かったので「なぜあんな人に」と驚いた人は多かったが、本気で自分を理解しようとしてくれる人、自分を世界でただ一人の特別な人だと思ってくれる人に、心ひかれる人はいる。恋愛は結局個人的なことなので、この人は世界でただひとりの理解者だという感動が恋心に結びつけば、相手の年齢や容姿はそれほど気にならない。

 

理解者に求められる資質

とはいえ理解してくれるなら誰でもいいというわけではなく「これほどの人が理解してくれた」と思うときの方が衝撃が大きい。「自分は普通の人には理解されない」と思っている人は特にそうだ。岡田の場合は「オタキング」としてサブカルの専門家だということがあった。あらゆるサブカルに通じている人が自分を認めてくれた。そして個人的に理解してくれた。これは大きい。ふつうはよく知らないおっさんに呼び出されてもまず話をしに行かない。

 

この「これほど」の部分に入るものを各種取り揃えることができるのがモテ農夫だ。岡田の場合は「出版の話を持ってこられるほど」もそれに当たる。ナンパ塾では相手が望むプロフィールを臨機応変にでっち上げるようにと指導されるようだが、木嶋佳苗はその方面の才能がずば抜けている。彼女の上品な立ち居振る舞い、驚くほどの博識さ、一流の店やブランド品に明るいこと。そして物でも人でも批判するときは遠慮なく容赦なくやる姿勢。その様子を見て「この人は一流だけを認める人だ、人を見る目がある人だ」と信じた人は少なくなかった。

モテから遠い人は買いかぶられることを嫌うが、モテ農夫はあらゆる方法で買いかぶられるチャンスを掴む。そして臆さない。木嶋は連続不審死事件以外にも詐欺の前科があるが、ブログの中で「正直に生きることの気持ちよさ」について平然と語る。

 

世の中には「その辺にいるふつうの男」や「平凡で目立たないふつうの女」に理解されるくらいじゃ満足できない人がいる。「自分は人に共感され得ない特殊な過去や個性を持っている」と悩む人、または自慢に思っている人。そういう人たちにとって岡田や木嶋は強烈な魅力を持っている。ひとことで言うとこじれた人は特別な人から理解されたい気持ちが強い。木嶋の支援者たちは木嶋がどれほどピュアで天然で清らかな存在なのかをみな熱く語るが、その言葉の背後には「それほどの人物に認められた自分」という自負があるのだと思う。

 

「あんな顔で」「あんな経済力で」と周囲が驚くような人がモテまくっている例は身近にもある。その人は本当に豆でやさしくて、落ち込めば励ましてくれるし、聞いていて楽しい夢を語る人で、コミュニティの中では絶大な人気があった。でもその人の話にはびっくりするような嘘が山ほど入っていた。それも日常生活を個人的に知るようにならないとわからないような嘘だ。そしてそれをぜったいに認めない。

気がついたときは愕然とした。木嶋香苗もそうだけど、こういう人は正直さ、誠実さについて熱く語る。こんなに真摯に一生懸命自分と対峙してくれる人が、まさか自分を騙しているとは思えないから本当に唖然とする。でもそのことを誰にも言えない。なぜならその人を信頼していた間にかなりの弱みを握られてしまっているからだ。

モテ地獄を制するのは容姿でも経済力でもなく人心掌握力だ。そして人心掌握に長けたものの攻撃は恐ろしい。木嶋が上田美由紀に宛てて書いた手紙を読めば、木嶋の陰湿な攻撃性の激しさがどれほどのものかよくわかると思う。養分には聖母のようにやさしく、敵にはサド侯爵以上に厳しく。岡田や木嶋の被害者には報復を恐れて泣き寝入りした人が相当いるだろうと思う。

 

人に手っ取り早く幻想を抱かせるには嘘をつけばいい。だから聞き上手で話が面白い嘘つきなら美男美女でなくてもモテる。実績はなくてもいい。あったって役に立たないこともある。それより実績があると相手に信じさせる技術が必要だ。「 ビッグ・フィッシュ」という映画があった。嘘つきは家族を困らせるけれど、眺めている分には面白い。人に実害を及ぼすところを見るまでは。

 

容姿や学歴、経歴に依存しないモテテクニックのまとめ

・相手のことを真剣に理解したいとアピールする

・相手の夢と個性を熱烈に褒める

・相手の好みとマッチした方面で、自分がひとかどの人間であると仄めかす

・二人の関係に第三者をなるべく入れず、客観的な視点を排除する

 

もしあなたがモテ地獄の頂点を目指すなら、容姿も学歴も収入も気にすることなんてない。ただ「自分は特別な人にしか理解されない」と思っている人を見抜いて、上の4つをせっせと実行すればいい。あなたが好きな人じゃなく、また「誰でもいいから人に自慢できる恋人がほしい」と思っている人じゃなくてね。お好みかどうかわからないけれど、高学歴、高収入、若き美男美女の中にもこういう人ってけっこういるよ。

 

kutabirehateko.hateblo.jp

 

追記

さっきURL引用して気づいたんだけど、引用するとブログ内にはないセクシーポーズの画像が出る仕様なんだね。これは支援者のアイデアなのか木嶋のアイデアなのかわからないけど、アサヒ芸能をdisる上品な人のアイデアとは信じ難いわ。