モテ地獄四層と涅槃

 

喪界

モテから疎外されたモテの光が差さない自己否定地獄。モテ界に金輪際縁がないと信じる者たちがモテのまぶしさを語らいながら肩寄せ合って暮らす。モテ界への無邪気な憧れと己の醜さへの絶対的な確信で苦しむが、それを昇華させる活動にいそしむ者も多い。喪界を去る者は喪界の住人に心からの感謝を残し、喪界にとどまるものは去る者を祝福し、憧れと絶望を深める。

 

非モテ

モテ界から聞こえてくる笑い声が絶えず嘲笑に聞こえる地獄。モテ界への道が閉ざされているのは親や社会、あるいはモテ界の住人の陰謀と考える者の怨嗟が絶えない。あらゆる角度からモテ界を侮蔑し軽んじる一方、モテ界への道が開かれると見るや我先に飛びつく者も多い。非モテ界を去る者は非モテを軽蔑し、非モテ界にとどまる者は去る者を軽蔑するが、どちらも深い悲しみを心に抱いている。

 

否モテ界

非モテ界の苦しみとモテ界の恐ろしさ双方を知り、あたかも前門の虎、後門の狼に挟まれる旅人のように苦しむ地獄。喪界の安定、モテ界の確信もなく、モテと無縁な非モテの他人事感もなく、たえず「これでいいのか」と「これではいけない」の自問自答で揺れている。否モテ界を去る者、とどまる者双方が互いを「それでいいのか」と疑問に思っている。

 

モテ界

光り輝く者たちに囲まれ、自らも光り輝いていると信じる者が集まる地獄。己の光を増すため絶えずより力ある者を求め、また外面を輝かせることで内なる闇を覆い隠す努力を怠らない。非モテ界出身者も多いが、否モテ界を通過せず一気にモテ界へ来たものはより強力な強迫観念にとらわれる。モテ界を去る者は理由が何であれ行先がどこであっても一律留まる者から下に見られる。

 

脱モテ界

モテ地獄の涅槃。解脱者がすむ世界。モテ地獄では内なる闇を光で覆い隠すことを常とするが、脱モテ界では闇を自らの光の源とし、互いの闇を伴侶を見分ける目印と考える。自らを至高とするモテ界住人から敵前逃亡と嘲笑われ、否モテ界からは「よくそれで平気だね、ある意味羨ましいけどそれでいいの?」といぶかしがられ、非モテ界からは仲間だと思われ一緒にモテ界のやつらを叩こうぜと誘われるが、喪界とは親和性が高く、転生者も少なくない。解脱者にはありとあらゆる変人、またふつうの人がいる。

 

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