サークラ、モテ、恋愛工学にはまる人

<前回までのお話>

藤沢数希の恋愛工学に批判が集まるなかで、「男性は美女を連れ歩いてまわりの男性に自慢したいもの。そのゲームに乗ってあげるのもモテの秘訣。本命になったあとこそ露出度の高い服を着て美人風に」と余裕のモテ指南をする蜜の国の蜜さん。

いつまでも連れて歩きたい妻になる! 男性の虚栄心を満足させるデートテクニック♡ - 蜜の国

「かわいいと思って男の虚栄心を満たしてあげればモテるんだから、連れ歩きたいと思われる装いをして、他の男性の前で彼を褒めてあげればいいのよ」というモテ美女蜜さんの余裕の発言は、ブスコンプレックスがだいばくはつした話 - アオヤギさんたら読まずに食べたで引用されていた藤沢数希と不愉快な仲間たちの主張「自分たちを批判する女は圏外の女だけ」説を裏付けるかに見えた。

モテを指南する美女認定を受け続ける女とナンパをライフワークにする男。果たして両者はどのような関係にあるのか。

 

かわいい男の扱い方

「男目線を意識しすぎるのはよくないけれど、それを忘れたら女として終わりじゃない?」という人がときどきいる。でもレズビアンカップルやアセクシャルを例に出すまでもなく、人は異性のためだけにお洒落をするわけではない。とはいえ女性が男性の目を意識して装うことにはいくつか現実的で切実な理由がある。

 

蜜さんはモテ系ファッションへの具体的なアドバイスコンテンツをたくさん書いている。どれも納得のいく話で参考になる。デートのときなど恋愛モードの時間だけでなく仕事のときに信頼される服装のアドバイスも多い。

男性が職場の女性のファッションを「おかしい」と思いながら注意出来ない3つのわけ - 蜜の国

 

きちんとした服装はセクハラの予防策でもある。しかし蜜さんは女性が男性から異性として見られなくなるのは危険だと言う。

 

②男性に敵対心や対抗意識を持っていると思われる危険

男性から「この女性は男性に対して対抗心や敵対心がありそうだな」と思われることは、非常に危ないことだと思っています。男性から「男扱い」されることも、同様です。

(中略)

えっと何が言いたいかっていうと、女性なのに男扱いされてしまうと男性の態度や言葉使いがびっくりするほど乱暴になるので、きっと職場でも心臓に悪いよって話です。 

男性は基本的に同性を敵だと思っていますが、女性とは戦いたくないのです。男性扱いを受けると損です。だってそれに対抗出来る攻撃性を、多くの女性は持ち合わせていないのですから。 

男性は女性と戦いたくない!! 女性がパンツスーツを着る際に注意したい3つのこと - 蜜の国

 

「男性ってかわいい♡」という蜜さんの男性に対する警戒心はすごい。「 女だと思ってやさしくしてやりゃつけあがりやがって」がいつ噴出するかわからない、それが男だというのが蜜さんの主張だ。しかし女として扱われないというだけなら攻撃されるかどうかは主義主張の問題のはずだ。ここで言う「女が女扱いされない」とは実際には女叩きの対象にされるということだと思う。

 

蜜さんの男性への接し方の背後には「そうしなければ人並みの扱いは受けられない」という男性不信があるように思う。「飾りになる女を連れて歩きたいとか馬鹿じゃないの。抱き枕でも持って歩けよ」などと言っていてはダメ。気に入られない女は「びっくりするほど乱暴に扱われる」と蜜さんは言う。でも相手のくだらない要望を満たせばかんたんに自分の思い通りになる。「男ってかわいい」。

 

どうですかね。「よしよし、その通りだ。分をわきまえておるな」と思うのか「出たな男は獣信者め!」と思うのか、男性の間でも意見がわかれるんじゃないかな。

id:ao8l22さんは

私は基本的にナンパ師や恋愛工学受講生が大嫌いで、なぜかというと根本的にミソジニーで「男尊女卑だし女が嫌いだけど女の肉体は好き」という人たちであるなあという印象と、女の人格の存在に気づいていないので恋愛やコミュニケーションの失敗をすべて自分に原因があると考えている印象があるからです。

 と書いている。わたしもそう思う。これは男性に限ったことではない。モテ系女性にはミサンドリーも多い。

モテる、ちょろいと思っている人は必ずと言っていいほど異性を、というか人間を小馬鹿にしており、それに気づいていない。なので「そんな単純なもんじゃない」と自らのメソッドを批判されても「馬鹿だからわからないんだな」と思って受け流す。

 

モテとサークラとナンパと恋愛工学の親和性

さて、ではそんなかわいいけれど恐ろしい男からのバッシングに遭わないためにも男に好かれるにはどうしたらいいか。

 

実践する内容は驚くほど簡単です!

  • 出会って一番、笑顔で挨拶

  • 相手の発言は全部肯定(相手の状況は自分に関係ないと思えば出来ます。実際あなたと関係ないことがほとんどです)

  • 小さなことでも、相手をほめる(「いい天気だねー」のテンションで)

  • してくれたこと一つ一つに「ありがとう」という(一日100回以上言ってください。おおげさにしたり、さりげなく言ったり緩急つけて)

  • 悪口を言わない

  • 愚痴を言わない

  • 個性のない清潔感のある服装(自己主張しすぎない)

  好かれる人の秘密① 拒絶しない - 蜜の国

 

なんか恋愛工学やナンパ系に似てる。サークラの会話テクそっくりだ。増田でも見たよこういうの。

誰でもカンタン☆ サークラ的「会話テク」 - あの子のことも嫌いです

釣って振るために生きてる

ネットで釣って振るために生きてる

 

これは当たり障りのないつきあいにとても有効だとわたしは思う。みんな書いてるだけのことはある。

でも、こういうことが出来るのは、相手を受け入れているからじゃなくて、その人のことがどうでもいいってことなんじゃないの?友達とか恋人ってそういうんじゃなくない?そんな関係の人とずっと一緒とか疲れるっしょ?むしろいなくてよくない?

 

目的があるからがんばれる

何を言っていても自分には関係ないと全肯定できる程度の人のために、なぜ髪型から服装から主義主張趣味言動まで合わせようとするのか。相手に好かれるため、そして人が好きな人にだけ示す特別な愛情の表現として厚待遇を得るためだ。

 

望む報酬が本命の座や結婚なのか、一夜の肉体関係なのか、金銭や人脈などをすすんで犠牲にしてくれることなのかが違うだけで、ナンパもモテもサークラも同じようなことをしている。虫に擬態して、交尾しようと寄ってきた虫に受粉させる花みたいだ。受粉できれば虫に花として愛してもらえなくてもいい。しょせん虫は虫、わかりあえるわけがない。せいぜい虫が喜ぶような、完璧な擬態をめざそうじゃないか。

 

そうして男に喜ばれる女に擬態した女性をめざして、女に選ばれる男に擬態した男性がやってくる。お互い相手のニーズがはっきりしている方が仕事がやりやすいから、自分が想定しているタイプを好み、そこから外れた人のことは悪く言う。そうして対象外扱いされているのがいわゆる非モテなのだと思う。

 

ちなみに蜜さんはブスな私が美人になってよかった思うこと4つ として

①視線一つで男を意のままに動かせる
②ほとんどの人間関係で立場が強い
③美形やモテる人たちと友だちになりやすい
④仕事で有利

を上げている。ただ個人的にはこれは人心掌握に長けた人が受ける待遇で、顔立ちやたたずまいといった美しさによる特典とは違う気がする。モテも恋愛工学も顔で言い訳しないという共通点があるが、人の気持ちを掴むのは容姿より行動だからなのだと思う。なので容姿が不利だから自分にはムリという人たちに彼らは厳しい。

 

適性がない人はゲームに参加しない方がいい

パートナーシップとは、何より二人の間で納得がいっていればそれでいいというものだとわたしは思う。SMだってスカトロだって二人がそれで満たされていれば物理的な被害を及ぼさない限り、周りにとやかく言われることではない。でも受容できるということと実践できるということは違う。これだけ人気があるからにはモテとナンパの攻防はおもしろいのだろうと思う。でもそれは一部の人だけが楽しめる特殊な性癖だとわたしは思う。

 

異性であれ、同性であれ、最愛の人とのパートナーシップを望みながら、モテとナンパに適性がない人はいる。というか、おそらくそちらの方が数は多い。それなのにモテとナンパに適性がないからと伴侶を得ることに絶望感を抱いている人が大勢いる。

 

そういう人はもうモテとかナンパとか人を話の通じない実験用マウスみたいに見る人らの話に耳を傾けるのは止めた方がいい。SM嬢なんか身体絞ってめっちゃきれいなスタイル保ってる人がいるけど、それに憧れてもその世界になじめない人の方が多い。モテとナンパの国で生きる人たちは常に戦士として自分を鍛え、絞っている。でもそこに対等な関係で二人だけの愛を育める道はない。そこは自分と同様相手のことも社会に厚遇されるための武器として使う非情な世界だ。

 

蜜さんのブログにはモテ系の代表的なノウハウがつまっていたのでずいぶん引用させてもらった。蜜さんの生い立ちや漫画のレビューはわたしがこれまで理解できなかった母の心情を理解するのにとても参考になった。母には苦労したけれど、蜜さん個人には怨みがあるわけではないので、御不快に思われたら申し訳ない。

ただ個人的には蜜さんが言うモテてモテて仕方がない女になる方法とは、そこにセックスがあるかないかの違いだけで、ナンパ指南と変わらないんじゃないかと思う。

 

もしもここをお読みになったなら、「女は邪魔」発言に対して世界中の女性科学者がTwitterで応酬した件について蜜さんが個人的にどう思うか、ご意見をお聞きしたい。こういう世界で働く女性もパートナーシップを求めている。生き方を変えるべきだと思いますか?

 

 

 

 

 

 前回の話

kutabirehateko.hateblo.jp

 

 

 

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