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モテない男性というブルーオーシャン

モテとナンパをめぐる話 愛とか 日常

仕事じゃないんだけど、仕事中に知り合った半分お客様という関係の方のお店にいったら、近所のおっさんが軽トラでやって来た。


このおっさんがめっぽう面白い人で、カウンターに座るわたしを明らかに意識しつつ店主に向かって聞こえよがしに色々な話をする。


話題はおっさんの土地に生えてきた竹の子とそれを狙う猪、猪にやられた飼い犬と、この上なくローカルな話なんだけど、おっさんは手練れなストーリーテラーで、ところどころハードな訛りで聞き取れないところを聞き逃すまいとつい前のめりになる。


そうこうするうちに「あんた、どっから来た?」とおっさんが話に入れてくれた。そこから道の話が始まって、土地の利権とバックの人間の話、駐屯地の話とこれまたローカル極まりない話に地元民しかわからない固有名詞がじゃんじゃん入ってくる。


おお、大変だ。こんな時間だ。生けるコンテンツのようなおっさんは実は地元の名士で、たいへんな金持ちということだった。


というわけで、空気を読まず距離なしで話すDさんというおっさんの話を読んで、わたしが最初に思い出したのはこのおっさんだった。

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わたしが出会ったおっさんはDさんよりだいぶ洗練されている。しかし距離なしで一方通行な話を繰り広げ、ショーを諦めない、というおっさんの鋳型がそこにある。


田舎にはこういうおっさんがたくさんいる。もちろん誰もが話上手なわけではない。しかし相手がつーんとしていても、上手いこと巻き込んでこっちの陣営に引き入れるというおっさん力を、わたしはそれなりに評価する。おっさんはそうやって人の輪を広げているのだ。


まして場面は仕事の席だ。邪険にされてもくじけなかったDさんは、雑談を通して仕事上の関係を作ろうとしていたのだと思う。どよーんとしていようが、彼女が何年いなかろうが、おっさんは会社の顔としてそこに来ているのだ。モテなくてもいい仕事するおっさんはいる。ろくでもない仕事しかしなくてもモテる男がいるのと同じだ。


あとで話を聞いた旦那さんが笑っていたとあったが、そりゃ笑うしかない。邪険にしていいわけがない。もちおが父に代わって会った仕事相手につーんとしてたら非常に困る。仕事中のもちおは意外にモテるので、もしかしたら下心のあるお姉さまや、下心のあるおっさんにも会うかもしれない。でも世間話くらいはほがらかにやり遂げる男だ。


モテ指南を読むの好きなんだけど、蜜の国の蜜さんはいわゆる非モテコミュ症は伴侶として対象外みたいだ。そう、だからこそ非モテコミュ症はブルーオーシャンなんですよ。狙われてないから競争せず落ち着いて知り合える。


仕事が出来て誠実で面白い人、つまり生涯を共にするのに最適な人は、モテコミュ充と同じくらい非モテコミュ症の中にもいる。それはモテコミュ充側にろくでもない人間が一定数いるのと同じくらい確かなことだ。


男性も女性もそこに早く気づいて行列に並ぶのを止めればいいと思う。結婚はリーグ戦でもトロフィーワイフ、トロフィーハズバンド争奪戦でもない。


先日婚活中のお嬢さんが結婚相手の条件として「ハゲ以外なら」というので、「わたしの夫はハゲてますけど世界一ですよ?」と教えてあげた。そこで足切りして本当にいいのか。夫は最近じゃハゲをネタに営業先で笑いをとって仕事を取ってくる。モテまい。仕事以外ではほぼ妻としか話さない。モテまい。でも最高なのよ、うちの夫。



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