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正しくない雄猫

もちお

知らない路地を歩いていたら、大きな顔とがっちりした胴とりっぱな玉を持った雄猫を見かけた。いかにも野良で毛並はボロッとしていたけれど、眼光鋭くライオンと同じ種類の動物らしい足取りで、のっしのっしと歩いて日陰の駐車場でごろっと横になった。暑そう。

 

「野良猫を保護しました」「室内飼いが出来る方」「避妊・去勢手術済み」という「誰か捨て猫飼ってください」系のお願いがfacebookでよくまわってくる。野良じゃいかんのか、と最近思う。いかんのだろうな。猫のうんこしっこ臭いしゴミ荒らされるし猫が危なくてかわいそうなんだろうな。それが正しいんだろうな。この時代。

 

でも盛りにつがって仔を産み育てて雄猫雌猫になって眼光鋭く人に媚びることなく生きる野良猫が、日本にいつまでもいくらかいてほしい。そのくらいの動物と共存もできないほど人の暮らしはいっぱいいっぱいなんだろうか。

 

去勢・避妊手術を受けた猫たちが一生仔猫のように甘えてじゃれてすごすのを見ると胸が痛む。人の都合で悪いね、と思う。

 

あの雄猫が「保護」されて「去勢手術済み」にされて、「愛され猫の証拠」として耳の端をカットされないでほしい。うちの近所には毎年仔猫がちらほらと生まれてはいつの間にかいなくなる。親猫も仔猫もどこか知らないところで命を落としているんだろう。その生涯が長くても短くても生きがいのあるものだったらいいなと思う。にんげんに捕まらずにうまく生きろよ。