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規格外の出会い

エッセイ的なもの

出会いがねぇんだよ!といつも言っている男友達がいる。仮にAとする。
ひとりであちこち楽しく出かける人だけど、趣味を共有できる人がいないらしい。
「行けなくなったからチケットを買わないか」と言われて買った。
そのお金を渡すために会ったときのこと。
 
「今日隣の席にいた若い女の子は、一人で泊まりで県外から何時間もかけて来ていた」
とAが言った。
「話したの?」
「うん、笑い声がずっとしてて、どんな子かなと思って」
「連絡先、聞いた?」
「聞かない」
「なんで!!」
「笑い声聞いてた間は興味が湧いたけど、顔見たら『連絡先はいいかなー』って思った」
 
わたしはこういうのに驚愕する。
 
「だって趣味の話できる人じゃん?!」
「まあでも顔が」
 
顔が、そんなにだいじか?
こういうことは、いわゆるモテ系の選べる人より非モテを自認する人ほどある。
男子校ほど女子の容姿に厳しいのは有名である。
二次元を愛する人は三次元というだけでめちゃくちゃにこき下ろしたりする。
こういうことはもちろん男性に限った話ではない。
 
モテ系は異性を恋愛対象でくくっていない。
だから歳が離れていようが、既婚だろうが、未成年だろうが、それで切り捨てない。
話をしたり遊んだりしてその時間を楽しむ。人を見る目も磨かれる。
「自分は出会いを求めているから、付き合えない人と話すのは時間の無駄だ」
と言っていた人がいた。
でも、人を通して別の人と知り合う可能性だってあるじゃん?
 
「出会いがない」と言う人に大勢会う。
ちょっと「仕事がない」と言う人に似てる。
そりゃ一生食べていける手堅い仕事はそうないかもしれないけど
今日の生活をしのぐ仕事をまず試してみてはどうか。
 
恋人を作る前に、結婚相手を決める前に、まず人と知り合ってみてはどうか。
じゃないと自分がどういう人間でどんな適性があるかわからないじゃん。
やりたい仕事と、得意な仕事と、楽しい仕事が同じとは限らないみたいに。
 
「自分は異性が苦手だからただ遊ぶとか無理」
と言ってきたりするけど、だったら恋人や配偶者なんかもっときついよ。
相手は役割を果たす役者じゃなくて、やっぱりただの人間だから。