全裸とセクハラ

リンゴとはちみつとろーりととけてる州はどこでしょう? 正解はアメリカバーモント州です。昭和専のみなさんは覚えておくときっと将来役に立ちます。
 
さて、この米国バーモント州には人前で全裸になることを禁じる法律がありません。条令でダメ出ししている地域もあるそうですが、ブラトルバラという街にはそのような条令が一切なく、水着を着ないで泳ぎに行っていいし、おっぱい丸出しの女の人がパレードする「ブレスト フェスティバル」なるものも開催されているのだそうです。すごいよブラ取る薔薇。歩く阿呆に見る阿呆、同じ阿呆ならどっちになりたいかしらとはてこは想像中です。
 
2006年の夏、この街のティーンエイジャーと思われる少女たちが、街のあちこちでとつぜん服を脱ぎ始めました。夏のはじめに公園で一人の少女が何気なく全裸になったのを皮切りに、我も我もと全裸で夏を過ごす少女が現れ、カフェに、書店に、ギャラリーにと全裸少女たちは夏を謳歌したそうです。冷房対策にストール&ひざ掛けを手放せない日本では考えられませんね。
 
これを見た大人たちの意見は当然ながら二つに分かれました。まったく今時の若者はけしからん! VS 全裸でもいいじゃないか、礼儀正しく周囲の人々の邪魔になっていなければ。しかし概ね「まあ、大騒ぎするほどのことではないか」という雰囲気でこの夏は終わったのだそうです。ううむ、このとき脱いだのが既婚者だったら、老人だったら、中高年だったら、どんな反応だっただろう。自分は参加したかなと再びはてこは想像中です。
 
ところが、翌年この街で裸踊りをして捕まったバカが出ました。逮捕者は二十歳前後の青年で、捕まった理由はわいせつだったからだそう。わいせつか。わいせつはイカンよね。以下はなんでも評点さんからの抜粋です。

5月16日のこと、若い男が路上で裸踊りをしているという通報を受けて警官たちが現場に向かった。警官たちが到着したとき、既に男は裸踊りをやめていたが、目撃者がダンスの様子をビデオに収めていた。

ビデオを再生してみると、確かに度を越していた。そのビデオを見たジーン・リン警部は言う。「彼の行動は、わいせつさを伴っており、通行人たちの顰蹙を買うものでした。何件かの通報がありました」

リン警部は曖昧にしか表現しようとしないが、男は全裸で踊りながら、自分の性器をむやみと強調するか、または、しごいたりさすったりするようなしぐさを見せていたらしい。さりげなく全裸で歩いているだけなら大目にみたかもしれないブラトルバラっ子たちも、さすがに不快感を覚えたのである。少女たちがさりげなくヌードで歩いてもOKな町で20歳の男が空気の読めない裸踊りをしてお縄に

うわー、それは見たくない。全裸自体はわいせつでもセクシャルなものでもありませんが、どんな意図で全裸になっているか、周囲に何を発信しているかは重要なことです。馬鹿だなあ、という言葉が愛の告白にもなり、刺激の多すぎる問題発言にもなるのと同じです。
 
児童ポルノを禁じる法律や条令が、児童虐待の実態を伝える文学や医学的な記録、文化的社会的背景で全裸、もしくは半裸の子供たちをとらえた作品も規制することになると本気で思っている方々、子どもに性教育の一環として性器の正確な形や性交のしくみやあり方について語ることと、子どもの前で猥談、シモネタをすることの区別がつかない方、また露出の多いファッションはすべて扇情的で卑猥なものという考えに疑問を持たない方々、そしてミニスカートをはいている女性はパンツもコーディネートの一部として周囲に見せるつもりがあると思ってよいとお考えのみなさんは、もしかすると2006年のブラトルバラの夏と、2007年のブラトルバラの夏がどう違ったのか、よくわからないかもしれません。
よくわからないままヌーディストビーチに行くと、勘違いをして大恥を掻くだけでは済まないかもしれないのでお気をつけください。「勘違いさせたお前が悪い」で相手が納得してくれるかどうかわかりませんよ。
 
「要するにちんちん・まんまん強調してたらわいせつでセクハラなんだろ」とお考えの方には、愛しあう二人がベッドの中でちんちんまんまんをどれほど強調しあってもセクハラにはならないことを考えていただきたい。もちろん問題は屋内か屋外かという問題でもありません。見たい人が多いか少ないかという需要の問題でもありません。
 
その場にあった装いと振る舞いはいつでも周囲の人の目に快いものですし、そのような気配りは楽しいセックスライフを送る上でもとても重要なことですよね。以心伝心に自信のない方は勇気を出して言葉にして聞いてみるといいと思います。
 
空気は読んだあとがだいじなんだよ

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