表現が規制されるのはその表現がすでに暴力で脅威だからだYO!

先日これこれを書いたらポルノと性犯罪の増加との関係が無性に気になる人がたくさん現れた。
私はポルノが無くなったら性犯罪がなくなるとは思ってない。
私は性犯罪は人を尊重しない身勝手な気持ちから起こると思っていて、そういう気持ちを煽るものはポルノだけだと思わないから。
 
それでもある種のポルノの有害な“表現”が規制されることはいい面があると思う。
控え目にいって小児性愛、拷問、レイプ、盗撮、痴漢系のポルノは存在自体が有害。
小児性愛、拷問、レイプ、盗撮、痴漢系っていうくくりは何かというと、実際に被害にあって苦しむ人がいるモノということで、それを性的な娯楽として楽しむことが大っぴらに許容される文化はよろしくないと思うから。
止めることの出来ない脳内ファンタジーならいざ知らず、あなたやあなたの愛する人の悲劇がおかずとして流通する文化ってどうよ、っていうこと。
この種のおかずのよさについて熱く語る人たちは、自分が個人的な性欲を満たすために食い物にされる側に苦痛や脅威を与えながらおかずを楽しんでいるという自覚をもっていただきたい。
 
女教師、と入力するとGoogleIMEが「女教師は二度抱かれた」と出してくるのでググってみたら大竹しのぶさんの舞台名でした。ビックリした。
AVに女教師ものってあるよね。パリっと糊の効いたワイシャツを着たスタイル抜群のメガネが似合う美人教師にあんなコトやこんなコトというシチュエーション。エッチなことが大好きな美人教師に迫られるという話の他に、清楚な教師の弱みを握って無理やりあんなコトやこんなコトをさせるというパターンも人気みたい。
大竹しのぶさんの舞台は生徒と関係を持った先生の話のようなので、どちらかというと前者。
 
ところで、もしも私が教師だったら女教師レイプモノが好きと公言する同僚や生徒のいる学校では安心して働けない気がする。ソレって自意識過剰でしょうか。
 
「はーい、今日は所持品検査するよー! カバン開けてー!」
「えー、マジかよー」
「はい、PSPは没収。後で職員室に来なさい。…こら、ダメよ。いま隠したもの出して」
「…」
「どうしたの?」
「…うっせー、かんけーねーだろ!」
「ちょ…」
 
がたん
 
「こ、これ…」
 
キーンコーン
 
「そうですか、はてこ先生、それはショックでしたでしょうねえ」
「ハッハッハッ。まあ心配いりませんよ、はてこ先生。あの年頃の男子ならAVの一本や二本、見てるのが当たり前です」
「ええ、性欲があること自体は健全な証拠だと私も思います。でも…内容がちょっとショックで」
「“女教師羞恥責め・悶絶拷問アクメ地獄”ねえ…。確かにこれはちょっと…」
「いやいや、レイプ願望なんて男なら誰にでもありますよ。ねえ、教頭先生?」
「え?」
「え?」
「十代の男子なら女教師をレイプしたいと思うのは健全な証拠だ。そのはけ口としてAVがあるんです。もしもこういうもので発散してなかったら現実で発散しないといけないことになるじゃないですか」
「いや、校長先生、発散しなくちゃいけないはちょっと言い過ぎじゃないですか…?」
「いえいえ、こういうことは率直に話した方がいいんですよ。はてこ先生だって子どもじゃないんだから」
「あの、私は生徒が自慰行為をしていることについて悩んでいるのではないんです」
「いや、だからそれが女教師ものだったことでしょう? 女教師ものだからってはてこ先生を思い描いて見てるとは限りませんよ。架空の女性なんですから。仮にはてこ先生を思い描いているとすれば、はてこ先生が生徒に愛されてる証拠ですよ」
「…」
「…」
「確かに18禁のDVDを学校に持ってくるのはよくない。この点は厳重に注意するとともに入手先をはっきりさせる必要はありますね」
「あの、ちょっとお聞きしたいんですが、校長先生はレイプについてどのようにお考えですか」
「もちろん現実のレイプはいけません。しかし先程も申し上げたようにレイプ願望は男性なら誰しも持っているものです。それは何も恥ずかしいことではありません。彼はまだ子どものようですが、彼なりに現実のレイプはいけないと思っている。だからこそ女教師レイプものを観て、その欲求を自慰という形で発散させているのですから、むしろ自制心のあるやさしい生徒だと私は思いますね」
「“緊縛ダルマ親父2 絶叫三段腹電マ責め”の方はいかがですか」
「え? もちろんあれは問題ですよ。まったく信じがたい、中年男性をあんな…とても健全とは言えませんね」
「学生だったら教師に反抗したいというのはよくある自然な感情ではありませんか」
「それとこれとは話が違うでしょう! 第一反抗することと暴行を加えることは同じではありませんよ」
「でもムカつく大人を殺してやりたい、というのは誰しも一度や二度考えたことのある話ではないですか」
「だからってその様子をDVDで観て何の意味があります? そういう気持ちを自制することを学ぶどころか煽るだけでしょう」
「彼はそこから性的な興奮を得ているんじゃないでしょうか」
「人を苦しめて性的な興奮を得るようなことを助長させるのが教育ですか、はてこ先生」
 
このすれ違い感。ううん、この先生の元では安心して働けないだろうなあ。
問題はポルノメディアを通して実際に性犯罪が起こるかどうかではなく、性的な興奮を得るために人権を無視したファンタジーを流通させるのは当然だと言う思想なんだよね。
犯罪が増えなければ、あるいはこれまで諸外国と比べて少ないのならば、物語の中で女性や子どもを虐げていいという考え方。物語の中で食い物にされる側に感情移入する立場の人がまったくいないという前提。
 
表現の自由が奪われる」「言論弾圧だ」という人がいるけど、それはすり替えだよ。
問題になってるのはポルノとして流通しているモノの中で性的な興奮を得るために反社会的な行動を描くことなんだから。
一律裸だとか性器でくくろうとする人がいるけど、人体模型とオリエント工業の雛ちゃんは違う。女教師モノのAVと大竹しのぶの舞台は同じじゃない。
表現規制が妥当じゃないと思う作品があるならそこで話しあえばいいよ。
 
「ぶっ殺すぞ」という言葉が非難されるのは、それが殺人に繋がるからではなく、その言葉自体が暴力だからでもある。
性欲を満たすために、女性を、子どもを残酷にレイプする物語を楽しむことが公の権利として認められている社会で、女性として、子どもを見守る社会人として生きるのは怖いことだ。
「自由な発言」を尊重することと、何を言っても否定すべきでないというのは違うよ。暴言吐かれてる人に向かって「自由な発言を認めるべきだ」って言って、暴言吐く側を擁護するのはおかしいでしょ。
   
「実際にやるのはいけないことだからやらないけれど、破壊的で反社会的な願望はあって当然だ。社会的に認めろ」
と言う人がいるけれど、あって当然は言い過ぎだし、公言することじゃないと思うんだよね。
まして社会的に認めろというのは自分に人の人権を脅かす権利があると主張しているんだという自覚をもってほしいと思う。
 
こういう人が自分を社会的な弱者だと言い出すのにはびっくりする。
社会的弱者っていうのは命に関わる権利を脅かされてる人のことを言うんだよ。
自分の性欲は社会的に満たされなければならないと思っているならそれは勘違いだ。
 
セックスで性欲を満たすには相手がいるんだし、相手のいることはいくら権利を主張しても相手の同意なしに達成できない。自慰行為をする権利を主張してるのか。自慰のおかず調達ぐらい自分ひとりで何とかしろ。
おかずがないと自慰も出来ないというならそれほど性欲は抑圧されてないってことでしょ。
無理に発散する必要もないと思うよ。
 
「いや、違うんだ、エロ目的でエロゲやってるんじゃないんだ」
うんうん、最近のエロゲってアニメ並だもんね。観てみたい気がするよ。
でもエロゲの話が面白いんだったらエロ描写抜きでもいいんじゃないの?
 
でもね、この規制がもう20年前に通ってたら、私がこれまで読んで面白かった本の一部は世に出なかった。
こんな大騒ぎになって、ひっそりこそこそ日陰者としてポルノを作っていた作り手は大打撃だろうと思う。
大っぴらに自慰行為を公言放言して憚らなかった恥知らずの馬鹿者と、ファンタジーを脳内にとどめておけない犯罪者と、金儲けに目がくらんで道徳と社会性を見失った売り手のせいでこの有様だよ。
まったくお前らほんとろくなことしないな。
 
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自覚を持って
表現規制に対してはてこ先生はこう言った
 
<追記>
エロゲの陵辱規制についてゆっくり書いていたら都の条例問題が勃発して、タイミング的に重なってしまったのだけれど、基本的に上と同じように考えている。
もちろん21世紀少年みたいに何でも政府にお伺いを立てて漫画を描くのが理想の世界だと思っているわけではない。

規制に反対するのであれば、「拡大解釈による恣意的な運用が懸念され」る事に焦点を絞り、何らかの線引きをさせるところまで持ち込むことに全力を賭すべきであろう。
たけくまも所詮この程度か。消毒しましょ!

どうやったらちゃんとした法を作ってそれを施行していけるか、はてこはそこを考えたいと思ってます。
お役所だってやりたくないと思うよ。漫画のチェックなんか。

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