ボクが考えた「自衛」の方法は社会を変えなくてもあなたの考えた自衛は社会を変えるよ

「自衛って自衛っていうけど自分が当事者だったらどうか考えてごらん!」
 
と憤るみなさま、こんばんは。

私はこれまで大事には至らなかったけれど、一人暮らしの間、数え切れないぐらい110番のお世話になった。
水着を盗まれたり、下着をぜんぶ盗まれたり、男性用下着を投げ込まれたり、足掛け4年絶えることなく無言電話がかかって来たり、昼といわず夜と言わず不審者が現れ、ポストの刺し錠から部屋を覘かれ、風呂をのぞかれ、時に自宅に侵入され、車でつけられといろいろなことがあった。
 
こういうことをするのはほとんど面識のない人だったけれど、中には面識のある人もいた。いま思えばどう考えてもやる気満々な人を前に「でも顔見知りにそんなことしたら気まずいことぐらい分かってるはず」と根拠にならない根拠を元に隙だらけだったことも一度や二度じゃない。
 
たまたま、たまたま帰ってきたタイミングとか人が訪ねてきたタイミングが重なって大事に至らなかった。
大事に、というのは私から見てではなくよそさまから「それで済んでよかったね」と言われるレベルということね。
 
それで「あのときそれを知っていたらなあ」と思うことがたくさんある。
当時の自分くらいのお嬢さんお坊ちゃんを見るとはらはらしたりする。
そして「あのときこうしてくれる人がいたらなあ」と思うこともたくさんある。
 
特別、なにか目新しい、効果的な方法をあげることもできない古典的な常識かもしれないけど、私はそういうことを生活しながらいちどに少しずつ効率悪く学んできた。
今回の自衛騒動の非現実的な提案なんかを見ても、そういう人っていまもたくさんいるんじゃないかと思う。
  
私は110番通報したらだいたい何分でかけつけてくれるものか知らなかった。
地方では110番しても街中からの転送になるから派出所にかけた方がいいと知らなかった。
とっさに声が出なくなることを知らなかったし、叫ぶなら火事ですと叫ぶといいと知らなかった。
  
だから“経験者が考えた自衛”を語れる人が声をあげてくれたらそれは強力な武器になると思う。
それは第二第三の被害を防ぎ、後から助けを求める人たちにとって頼もしい声になると思う。
 
私がつらかったことは、自分“だけ”でなんとかしろというようなことを言う人がいたことだ。
ボクが考えた「自衛」語りもなく、なぜ自衛しないのかというようなことも言われた。
 
同じ年頃の娘のいる人たちから「引っ越したらどうですか」と言われた。
「今日の夕飯はうちでご飯食べて行きなさい」と言ってくれたらどんなに慰められただろう。
 
110番から二時間後に到着した駐在所の警察官は
「こっちはもう着替えて寝てたんですよ。こんなところに女性一人で暮らしていたんじゃあね」
と言った。私服じゃ警官だか変質者だか分からないと思った。
 
「部屋の中でセックスしてる声が聞こえたって供述してるんですよ」
と調書を取る警察官に言われたこともあった。
 
「いまベランダに誰かいて、警察を待ってる」
と電話したら、恋人は眠そうな声で「何かあったら電話してね」と言った。
何かあったらもう電話なんかできない。そのときの犯人は後日別件で婦女暴行現行犯で捕まった。
 
あのとき、そばに信頼できる大人がいて安全な場所を提供してくれたら
そして私にできるどんなことがあるのかを具体的に教えてくれて、協力してくれたら
少なくとも「何かあっても助けてくれる人がいない」という恐ろしさは抱えないで済んだのにと思う。
  
結婚してから三度、深夜に悲鳴が上がるのを聞いた。
そのうち二度は悲鳴を上げてくれたおかげで所在が特定できて、顔をみることができた。
襲われていたうちの一人は若い男性だった。動転して声が震えていた。
 
一緒に映画を見ていた夫が悲鳴に気づかなかったときも、私は迷わずドアを開けて大声で
「だいじょうぶですかあああっ」
と叫んだ。誰かが聞いているということを被害者にも加害者にも知ってほしかった。
 
団地の中を通って泣きじゃくる女性がこちらに歩いてきた。
団地の窓の明かりはまだちらほら点いていたけれど、ドアはどこも閉まっていた。
彼女の肩を抱くようにして、夫と二人で彼女の家まで送って行った。
 
怖かったのは私に暴力を振るう頭のおかしい人がいるということだけじゃない。
ふだんは善意で何かあったらいいなさいと言う人が、私の身の危険に関心がないということだ。
 
(具体的な自衛策を箇条書きしていたらものすごく長くなってしまって、間違えてバックスペースを押した瞬間ログが消えてしまったのでそれはまた後日書きたい。)
 追記:ちょっと書いたよ これも
 
とにかく、変わるべきは被害者と加害者だけでなく周囲の傍観者でもあるのだ。
自衛は単独プレーではなく連携プレーだ
だから事件が起きる前も起きた後もあなたも私もできることはたくさんある。
 
遠いところにいるうかつでか弱い誰かが自力で身を守る方法じゃなく、身近な人、通りすがりの見知らぬ誰かを守るために自分はどんな“自衛”策を持っているか、各自がよく考えて大いにアイデアを出し合ったらいいと思う。
 

id:manysided 今後の自衛手段として、社会を変えないと駄目だと思っています。

社会を変えることはどこか遠い、手の届かない場所の誰かの話ではないことを知ってほしい。
犯罪を防止・減少させるために当事者としてではなく市井の人としてできることを考えたい。
 
私は過去の自分を守ることはできないけど
あのときの経験を生かして何人かの人のそばにかけつけられたのは、よかったと思ってるんだ。
 
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